妊娠しやすいからだになるための食事って?

こうのとりの相談室〔お悩み相談〕

妊娠しやすいからだになるための食事って?

タカコさんからの質問

Q子供の頃から、肉、魚、揚げ物、甘いもの、お米などが苦手で、あまり食べません。

お芋や野菜、お豆腐や納豆などは大好きでよく食べます。

食事の回数も朝晩の2回。

でも、妊娠するためには、一日三食バランス良く、とか、肉や魚をしっかり食べなさいとか言われます。

その一方で、玄米菜食が最も理想的で妊娠しやすいとか言われてたり・・・いろんな情報ばかりで、一体何を信じたらいいのかわかりません。

妊娠しやすいからだになるためには、どのような食生活がいいのでしょうか?アドバイスをお願いします。


Aまずは、いろいろなものを適量、バランスよく食べましょう。

確かに、食事については、一見簡単そうでなかなか奥が深いので、諸説存在します。

それはおそらく、一人ひとりの食生活や生活環境があまりにも違うからだと思います。国によっても違うし、民族によっても違います。

同じ国で同じ世代であっても、気候が違えば、育つ植物も違いますし、食文化も違って当然。などなど、食生活を均一にする、ということは考えている以上に難しいことなのですね。

それでも厳密に対処するのであれば、毎日血液検査して何が足りないかを把握し、それによって食事プランを考える、・・・という、壮大な話になりかねません。

しかしやはり食事は大切です。ご承知の通り、からだは食べ物から作られるのですから。

なので、「木を見て森を見ず」にはならないよう、まずは大きく考えていただきたいと思います。

それが「いろんなものを、適量バランスよく食べる」ということです。

1.適量とは?

適量については、一般的なお話はこちらでさせていただいておりますので、よろしければ参考になさってください。

▼妊活ブログ:食事、食事っていうけれど・・・
https://kounotori.nagaikiya-honpo.com/blog/20160301-2/

ただ、やせすぎ【BMI<18.5】、もしくは、太りすぎ【BMI>25】であれば、それに合わせて量を調整する必要があります。

2.たんぱく質

たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていて、このたんぱく質が体の筋肉、皮膚、髪の毛や爪、臓器、そしてホルモンや免疫体などカラダの大部分を作っています。

よって、妊娠しやすいからだを作るためにも、また、妊娠後赤ちゃんの健康なからだ作りにも、たんぱく質は必要です。

たんぱく質には「植物性」と「動物性」の二種類がありますが、その違いは「アミノ酸の組成」にあります。

アミノ酸にも種類があり、その内、自ら体内で合成できない9種類の必須アミノ酸は、食事で摂取する必要があります。この必須アミノ酸は、動物性の方が多く含んでいます。

また、人間の身体との親和性も動物性たんぱくのほうが高く、体内での利用効率も高いとされています。

なお、この9種類の必須アミノ酸は、例えば大豆であれば約50%しか含まれていないので、動物性たんぱく質の2倍摂らないと、同じ摂取量にはなりません。

よって、アミノ酸の摂取バランスという観点からいえば、牛肉や豚肉、鶏肉、魚などいろいろな動物性たんぱく質を食べる方が理想的、と言えます。

なお、たんぱく質については、厚生労働省では、30-49歳の女性の一日の推奨量を50gとし、妊娠した場合は
◎ 妊娠中期:プラス10g(合計60g)
◎ 妊娠後期:プラス25g(合計75g)

これに対し、木綿とうふ1丁(300g)に含まれるタンパク質は20.4g、納豆40gあたりに含まれるたんぱく質は6.6gです。

意外と少なくありませんか?

3.脂肪も必要

妊娠するためには生殖に関わるホルモンの分泌が欠かせませんが、このホルモンの原料となるのはコレステロールです。

つまり、妊娠を希望する場合は、適度にコレステロールが必要だということです。

でも、肉類などの脂肪分を極端に避けた食生活では、このコレステロールが十分に作られない可能性があります。

なので、適度に肉類を食べることが大切です。もちろん摂りすぎはいけません。

肉類の摂り過ぎ→飽和脂肪酸の摂り過ぎ、という問題を引き起こすこともありますので、肉類だけでなく、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸を含むお魚を食べるとよいでしょう。
 

4.体重は適正体重を維持しよう

もし貴方の体重が、やせすぎ(BMI<18.5)でしたら、BMI値が21を目標に体重を増やしてみてください。 体重が適正でないまま妊活をしても、ホルモン分泌の司令塔である脳の視床下部・下垂体系の抑制により、排卵がうまくできないリスクが高いです。 また、やせすぎのまま妊娠しても、切迫流産、早産、低出生体重児分娩など、妊娠中や出産に影響を及ぼす可能性が高い、と先日の学会の勉強会でもドクターがおっしゃっていました。 太りすぎ(BMI>25)も、多のう胞性卵巣の原因となったり、活性酸素などの影響で卵子の発育が阻害されるリスクがあります。

また妊娠中は、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、死産、巨大児の神経障害のリスクが高い、と言われています。

つまり適正体重であることは、妊活、そしてその後の妊娠・出産において、実はとても大切なのですね。

これらをふまえ改めて、以下のようにご提案したいと思います。

◎ 植物性たんぱく質中心は素晴らしい!そのままお続けください!
◎ できたら、お魚は食べるようにしてみましょう。それが無理なようでしたら、オリーブオイルやキャノーラオイル等の不飽和脂肪酸の摂取を増やしてみましょう。
◎ 炭水化物をを摂る場合は、玄米など無精製のものを選ぶとよいでしょう。
◎ カルシウム摂取のために乳製品を摂りましょう。ただし、必ずしも脱脂乳や低脂肪にこだわる必要はありません。
◎ 葉酸を摂りましょう。
◎ 鉄分の摂取を心がけましょう。食事からは無理な場合はサプリメントでもOKです。
◎ 飲み物は、糖分の多い清涼飲料水は避けましょう。
◎ 適正体重を維持しましょう。(BMI値19-24)

食べることが苦痛になってしまうのは問題ですし、続けなくては意味がないので、今までの食習慣をいっぺんにガラッと変える必要はないと思います。

ただ、将来生まれてくる子供の食生活を守るのは、やはり母親である自分。

でも、妊娠したからと言って、すぐに変えられるわけではありません。

そのために、今、妊活中がチャンス。今のうちに母親になる女性の食生活を改善しておくことは、とっても大切です。

また子育ては、考えている以上に体力が必要ですし、長期戦です。

妊活中に食生活を考えることは、妊娠しやすいからだを作るためだけでなく、これから生まれてくる子供の健康のため、健やかな子育てのためでもあるのです。食事を変えると、からだが変わります。と同時に考え方も変わることがあります。

それでまた新しい展開が広がる可能性は多分にあります。

ぜひこの妊活期間を、自分の可能性を広げる期間と捉え、足りないな、おかしいな、と思ったら変えていきましょう。

日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子


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