けいこさんからの質問

Qインスリン抵抗性が高いと言われました。

Aまずお食事を見直しましょう

インスリン抵抗性が高いことは、排卵障害の一因とされています。

よって、改善するためのメインは、やはりクリニックでの治療と処方されるお薬です。

ただ、自分でもできることをやることで、より一層改善のスピードが上がり安定することが見込めますね。

自分でできることの一番は、食事を見直すことだと思います。

その理由を申し上げる前に、まず、インスリンとは何か？から説明させていただきます。

インスリンとは？

人間に必要な三大栄養素は、炭水化物・タンパク質・脂質です。

その中の炭水化物は、糖質から構成されていますが、この糖こそ人間が生きてく上で必要なエネルギーとなります。

食事をすると、炭水化物から糖分が吸収され、その糖分（ブドウ糖）が血液に流れ込み、各細胞まで運ばれていきます。

その際、ブドウ糖を細胞に取り込むためには、すい臓で作られるインスリンというホルモンが必要です。

人間のからだは、常に適正なエネルギーが維持できるよう、血液中のブドウ糖の値、つまり血糖値が、一定の適切な範囲で維持されるよう調節されています。

血糖値が高ければ、インスリンが分泌され、血糖値を適正値まで下げようとします。

反対に、血糖値が低ければ、アドレナリンなどのホルモンが血糖値を上げるよう働きます。

ここで、炭水化物の摂りすぎなどで血糖値が急激上がったり、上がった状態がずっと続くと、それを下げようとするインスリンの機能がうまく働かなくなってきます。

それが「インスリン抵抗性」。

つまり「インスリン抵抗性が高い」とは血糖調節異常ということなのです。

こうなると、甘いものの量が少しでも、インスリンが過剰に分泌されてしまい、今度は血糖値が下がってしまう、あるいは、食事をしても十分に血糖値が上がらない、上がったり下がったりを繰り返す、ということになっていきます。

また、インスリン抵抗性がある、つまり血糖調節異常になると、からだのホルモンバランスが乱れます。

そして、インスリンが過剰に分泌されている状態が続くと、排卵しづらくなるとと言われています。

インスリン抵抗性を下げるには・・・

クリニックの治療以外に自分でできることとしては、まず、食生活の見直しが挙げられます。

特に糖質を摂りすぎてないか、をチェックしてみましょう。

糖質は、甘いものばかりではなく、主食となる白米、白いパン、パスタやラーメンなどの麺類などの、一番手軽にとることができる食材に多く含まれているので、油断をすると食べ過ぎてしまう傾向にあります。

なので、まずご自身の食生活を見直して、白米・白いパン、小麦を使ったパスタやラーメン、ケーキなどの甘いものをたくさん食べてないかチェックして、食べすぎないように調節してみてください。

といっても、糖質をまったく摂らない、といった極端なことはしない方がいいと思います。

糖質は人間の唯一のエネルギー源です。

糖質をまったく摂らなくなったら力が出ませんし、精神的にもイライラしたりなど、よくない面があります。

インスリン抵抗性もますます進むかもしれません。

やはり適正が大切です。

おすすめの目安は、毎食ごとの各料理の分量を「手」を使って計っていくやりかたです。

○　主食（ごはん、パン、麺）⇒両手一杯分（パンだと6枚切り1枚分）

○　副菜（野菜、きのこ、いも、海藻類）⇒ふんわりと両手一杯分

○　主菜（肉、卵、魚）⇒片手一杯分

○　果物⇒片手一杯分

そして食べる順番は「おかず⇒野菜⇒ごはん」とすると、血糖値が急激に上がることがないので、インスリンの分泌も適正となります。

あとは、ケーキなどの洋菓子系の甘いものはなるべく控えましょう。

どうしても我慢できなければ、週に一回など、自分にご褒美を。

くれぐれも量は控えめになさってくださいね。

なお、極端な食事制限は、からだの他の部分への負担にもなりかねないので、自己流で行うことは止めて、必ずり専門の先生の指導を受けてください。

今行ってらっしゃるクリニックで栄養指導などされていれば、一度相談されるといいでしょう。

日本不妊カウンセリング学会認定　不妊カウンセラー　松村恭子