まなさんからの質問
Q現在31歳で、身長は154cm、体重は40キロです。
20代は見た目を気にして、太らないようにある程度食事を制限していました。
運動は苦手なのでしていません。
この度結婚し、赤ちゃんが欲しいと思うようになりましたが、ある方からもう少し太らないと妊娠しづらいよ、と言われました。
やせていたら妊娠しづらいのでしょうか?
Aやせすぎも太り過ぎも妊娠を妨げる原因となります。
やせているからと言って、妊娠できないというわけではありません。
しかし、アメリカでの約50万人の高度生殖医療を受けている女性を対象にした研究によると、やせすぎ及び肥満の女性は、標準体重の女性より妊娠率も出産率も低く、またどちらも低体重児と早産のリスクが高いことが明らかとなっています。
また、排卵障害のリスクが高まったり、帝王切開率、産後うつ病が増加するとの報告もあります。
ここでいう「やせすぎ」「標準体重」「肥満」は、以下を指します。
やせすぎ:BMI 18.5未満
標準体重:BMI 18.5以上25未満
肥満:BMI 25以上
※BMI値=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
なお体重に関わらず、生理不順や無月経の場合は、妊娠するために必要なホルモンのバランスが崩れていることの表れであり、そのような状態ではやはり妊娠しづらいので、治していくことが大切です。
妊娠成立には
・妊娠に必要なホルモンの十分な分泌とバランス
・血流
・栄養
が少なくとも必要です。
また、卵子と精子が合体した受精卵が細胞分裂を繰り返していくためには、大量のエネルギーが必要です。
またエネルギーが不足すると、からだは生殖よりも自分の生命を維持する方に優先的に使います。
なので、生殖機能にもエネルギーを回す、それも十分な量を、となると、エネルギーを作り貯蔵しておけるからだにしておくことは、非常に重要となります。
エネルギーを作り出すためには、やはり栄養をしっかり摂ることが有効ですし、血流を良くしてそれらを確実に卵巣や子宮に届けることが大切です。
また、不規則な生活を避け、しっかり睡眠を取るなどで、ホルモンの分泌を正常化することも大切でしょう。
精神的なストレスも、自律神経を乱しホルモンバランスをくずす原因となりますので、ストレスを発散して溜めないようにしましょう。
要は、不自然な生活を避けること。
つまり
◎ 適量のバランスの良い食事をとる
◎ 適度にからだを動かす
◎ しっかり睡眠を取る
◎ ストレスを発散する
といった健康的な生活を心掛けて、穏やかな気持ちで毎日を送る。
これは妊活に限ったことではありませんね。性別・世代を超えた健康つくりです。
その健康つくりによって、ホルモンのバランスが整い、血流も良くなって、卵巣や子宮も正常に働き、妊娠しやすいからだも作られていきます。
そしてこれは、単に体重の問題のだけでなく、妊娠しやすいからだつくりの基本と言えますし、更にその先の妊娠中・子育て中の体力作りにも繋がっていきます。
妊活は、妊娠や子育てのための心とからだの準備期間です。
どうぞここで、今一度ご自身の生活を振り返り、気づいたところは改めて、妊娠しやすいからだ、妊娠中も問題なく過ごせるからだ、子育てがスムーズにできるからだを作っていっていただきたいと思います。
日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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