「エクオール」という言葉を聞かれたことがあると思います。
最近、サプリメントでよく見かけますね。
「エクオール」とは、エクオール産生菌とよばれる腸内細菌によって、大豆イソフラボンから作られる成分で、女性ホルモン(エストロゲン)にとてもよく似た働きをするため、特に更年期世代の女性の健康をサポートします。
イソフラボンから作られる成分なので、イソフラボンを摂ればだれでもエクオールができそうなのですが、ところがそうではないようで
エクオールが作られる人と作られない人がいて、
エクオールが作られる人は、欧米の女性の場合35%、日本人の女性の場合は50%、と言われています。
なぜそうなるのでしょう?
作られない人はどうしたらいいのでしょう?
その辺りを調べてみました。
【重要なのは「エクオール産生菌」と「ダイゼインリッチイソフラボン」】
まず、大豆イソフラボンからエクオールを作るためには、腸内に「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌群があることが大切です。
そしてイソフラボンも、「ダイゼイン」という種類のイソフラボンでないとダメなのです。
ダイゼインは、大豆胚芽から抽出したイソフラボンに豊富に含まれています。
【エクオール産生菌は97%の人が持っている】
これまでエクオールが作れない人は、エクオール産生菌そのものを持っていないのではと考えられていました。
ところが実際に調べたところ、エクオール産生菌そのものは97%もの人が持っていたことが分かりました。
但し、エクオール産生菌が働いている、つまりエクオールが作られていた人は22%。
結局、菌の有無ではなく、菌が働いているかどうかが問題、ということなんですね。
【エクオールが作られる人は腸内細菌が多様】
ここで腸内細菌叢の、主要な有益菌の「ビフィズス菌」「乳酸産生菌」「酢酸産生菌」「エクオール産生菌」などの比率や、
さらに腸内細菌叢の多様性などを調べてみると
エクオールが作られる人は、そうでない人と比べ、腸内細菌が明らかに多様であることが認められました。
ということは、エクオールが作られるようになるには
1)ダイゼインのイソフラボンを摂取
2)腸内細菌が多様であること
この二つが条件となるのです。
【腸内細菌を増やすには】
ヒトの腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」、そのどちらでもない「中間の菌」と、大きく3つに分けられます。
腸内細菌の中で一番数が多い菌は「中間の菌」で、次に「善玉菌」、「悪玉菌」は少数です。
悪玉菌は、脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレスなどが原因で、腸内に増えてきます。
結局、腸内細菌の多様性を得るには、まずは「健康的な生活習慣」が大切。
次に
・プレバイオティクス:腸内の善玉菌を増やす、または悪玉菌を減らす効果のある難消化性食品成分
・やプロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などの健康に役立つ生菌製剤や生菌食品)
を含む「バランスの良い食生活」が重要になります。
【エクオールが作れなかったらエクオールを飲めばいい?】
エクオールが作られるからだになるためには、毎日の生活習慣や食生活を整えることが必要になりますが、
そんなまどろっこしいことをせず、直接エクオールを摂ればいいじゃない?ということで、エクオールのサプリが作られたのだと思います。
確かにその方が早いかもしれませんが、「エクオールが作られないからだ」ということには変わりありませんし、実はエクオールが作れる人は、エクオールが作れない人と比較して、いろいろな健康メリットがあることが報告されています。
例えば、骨密度。閉経後の女性を対象にした試験結果によると、エクオール産出者は非産出者と比べて、大腿骨の骨密度低下が少ないことが確認されています。
他にも、エクオール産出者は中性脂肪数値が低かったり、毛髪状態が良かったり、PMS(月経前症候群)リスク低下なども判明しています。
なので、エクオールが作られないなら直接エクオールを摂る、のではなくやはり、エクオールが作れるからだにした方が、今後の人生が更に豊かになると言えますね。