ペイパーさんからの質問
Q.太っていたらなぜ妊娠しにくいのでしょうか?
肥満だと妊娠しづらいと聞きますが、太っていたらなぜ妊娠しにくいのでしょうか?
A.肥満は排卵障害など妊娠しづらくなるリスクの一つですが、それ以上に妊娠中のトラブルを招く原因となるため、妊活中に適正体重にしておくことが大切です。
まず前提として「太っている」というのは、いわゆる「美容体重」のことではなく、BMI値が「肥満」の値である、ということを指します。
BMI値が25以上の場合は「肥満」とされ、妊娠しづらい原因の一つとされています。
なお、適正体重は、BMI値が18.5以上24未満とされています。
※ BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
なぜ肥満が妊娠しづらい原因となるのかは、
- インスリン抵抗性が高くなり、排卵障害の一つである「多のう胞性卵巣症候群」を引き起こす可能性がある
- 活性酸素が発生しやすくなり、卵子や精子の細胞の老化を引き起こす
- 肥満が子宮内膜の脱落膜化を抑制し着床率を低下させる
などが、主な理由として挙げられますが、実はそれ以上に怖いのが肥満の状態での妊娠で、肥満のまま妊娠してしまうと、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、死産、巨大児時の神経障害などのリスクが高まってしまいます。
逆に、「やせすぎ(BMI値が18.5以下)」もよくありません。やせすぎの状態だと排卵障害のリスクが高まりますし、流産率や低出生体重児、帝王切開率、産後うつ病が増加するとされています。
妊娠したからと言って、急に体重を管理するのは危険ですし、なかなかできることではありません。なので、安全な妊娠・出産のためにも、妊活中から適正体重を心掛けることが大切なのですね。
日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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