こんにちは。神戸の老舗妊活サポート専門ショップ「ながいきや本舗」店長兼不妊カウンセラーのマツムラです。
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着床前診断に対しては慎重な姿勢を取ってきた日本産科婦人科学会ですが、とうとう、着床前スクリーニングの臨床研究を始めることになったようです。
着床前スクリーニングとは → 詳しくはこちら
研究参加施設は、名古屋市立大、東京女子医大、藤田保健衛生大(愛知県)、IVF大阪クリニック(大阪府)、セント・ルカ産婦人科(大分市)と、非公表の一施設の合わせて6施設。
対象については、年齢は35~42歳、体外受精を3回以上失敗、あるいは流産を2回以上経験した女性としています。
登録はすでに始まっていて、当面は計100組の夫婦で予備研究を実施し、続いて数百人規模の本研究を行うとのことです。
今回の着床前スクリーニングの臨床研究の意義にについて、日本産科婦人科学会の苛原(いらはら)稔倫理委員会委員長は
「米国や欧州で同様のことが行われている。流産が減ったり、妊娠率が上がるという報告がどんどん出てきだした」
とおっしゃっています。
ただ、慶應義塾大学医学部名誉教授で産婦人科医の吉村泰典先生は、今回の臨床研究を「予備研究」と位置づけ、「臨床研究に必要な対象の症例数を検証するもの」だとしています。
また、この臨床研究は「着床前スクリーニング導入のみを意図した研究ではない」ともしています。
つまり、着床前スクリーニングには様々な倫理的な問題点が指摘されるため、「導入前に検査の有用性を科学的検証することは極めて意義深く」、もし科学的に有用性が認められなければ、スクリーニングを実施する必要はないし、有用性が認められた場合でも、導入にあたり倫理的妥当性を含めた社会的な議論が必要となる、とのことです。
着床前スクリーニングについて書いたように、この検査も完璧ではなく、有用性についてもまだまだ不確定です。なので今回の臨床研究は、初めから「導入ありき」というよりも、本当に導入するべきかどうかを検証するためでもあるようです。
着床前スクリーニングを望む声は年々大きくなっています。早く方向性が決まれば・・・と思いますが、その間私達の側も、自分なりにいろいろと考えることが必要なのではないかと思います。
参照:一般社団法人吉村やすなり生命の環境研究所 「着床前スクリーニングの臨床研究」