冬のある日、こんなことがありました。
家から最寄りの駅までは7~8分あるのですが、朝出発後3分の2まで行ったところで、暖房を消しているかどうか気になり、迷った挙句、家に戻って確認(やっぱりちゃんと消してた・・・お出かけあるある?)で、また小走りで駅に向かい、すぐに来た電車に乗ったらだんだん暑くなってきて、顔から汗が出てきました。降車駅までは約10分、降りるころには、滴るほどの汗。
確かにコートを着て比較的厚着でしたが、季節は冬、おそらく気温は一桁です。
寒いはずなのに、なんでこんなに大汗を??
きっと自律神経の調節がうまくいかなかったからだろうな・・・
えっ、待って!自律神経ってそもそも何??
ということで、今回は自分への回答の意味も込めて、自律神経についてお話しさせていただきたいと思います。
自律神経って何?
自律神経は末梢神経(脳や脊髄などの中枢神経から分かれて、全身の器官・組織に分布する神経のこと)のひとつで、全身のほとんどの器官を支配しています。
私たちの意志とは無関係に働いており、活動・緊張・興奮している時に優位になる「交感神経」と、休息・リラックスしている時に優位になる「副交感神経」の2つから成り立っています。
車で例えると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキです。
自律神経をコントロールしているのは、間脳の視床下部と呼ばれる部分。視床下部が指令を出し、交感神経と副交感神経のどちらかが優位になりすぎないよう、バランスをとっています。
ちなみに、男性ホルモンや女性ホルモンも、大きく見ると視床下部の支配下にあります。
男性ホルモンや女性ホルモンは、脳の「下垂体」でコントロールされていますが、下垂体の上にいるのが「視床下部」です。例えると視床下部が「社長」、下垂体が「部長」、さまざまな臓器(甲状腺、副腎、性腺など)が「社員」。社長(視床下部)が部長(下垂体)に命令し、それに従い部長(下垂体)が社員(さまざまな臓器)に命令を出して、社員が実際に働くという関係です。
このように自律神経も男性ホルモン・女性ホルモンも同じ視床下部が指令塔。なので、両者は影響を及ぼし合っています。
自律神経のバランスが乱れればホルモン分泌が乱れるし、ホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスが乱れる。
なのでホルモンバランスを乱さないためには自律神経のバランスを整えることが大切になってきます。
交感神経
交感神経は、身体の活動性を生みだす神経系で、昼間や活発に活動する時間帯、からだと心が「興奮モード」の時に優位になります。
交感神経の中枢は脊髄にあります。脊髄の両側には交感神経幹が走っており、交感神経は脊髄の外側から出たあと、お腹側を回り、体の各器官に分布していきます。
交感神経が優位なときに出やすい症状としては、以下のものが挙げられます。
・頭痛(緊張性頭痛)
・眩しさ、目が乾く
・口が乾く
・動悸、息苦しさ
・便秘、下痢
・胃痛、腹痛
・体温調節がしづらい(熱がこもる)
・過緊張、首肩こり
副交感神経
副交感神経は身体を休息させる神経系です。
夜間やリラックス中、「消化」のときに優位になります。
副交感神経は、脳の下部(首のあたり)にある中脳・橋・延髄から出て体の各器官に分布するルートと、脊髄の下部にある(腰のあたり)骨盤神経から腸や膀胱・生殖器に向かうルートがあります。
副交感神経が優位なときに出やすい症状は、以下の通りです。
・頭痛(片頭痛) ・涙が出る ・徐脈(脈が遅くなりすぎる) ・だるさ・朝起きられない
自律神経ってなに?<その2>に続きます。