こんにちは。神戸の老舗妊活サポート専門「ながいきや本舗」店長兼不妊カウンセラーの松村恭子です。
ようこそ、妊活ブログへ!今回もどうぞ最後までお付き合いくださいね。
先日「ホルモン治療をすることで癌になる確率が上がると聞いたのですが、大丈夫でしょうか?」というご相談をいただきました。
確かにそういったお話を聞いたことはありますが、正直、噂のレベルなのか本当のことなのか、よくわかりませんでした。
なので今回改めて調べたところ、リプロダクションクリニック大阪・東京の松林秀彦先生が、ご自身のブログで以下の通り説明されていました。
松林先生は、日々クリニックで診療をされているだけでなく、論文等をくまなく調べて、ブログで最新の生殖医療について解説されています。
そのため、他の不妊治療専門のドクターも参考にされるほどの、トップランナーです。
妊娠治療に用いる薬剤と癌についてのガイドラインがASRM(米国生殖医学会)から発表されましたので、ご紹介いたします。
Fertil Steril 2016; 106: 1627(ASRM)
要約:妊娠治療に用いる薬剤と癌について(エビデンスレベルA>B>C)
1 卵巣癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)、薬剤の種類による違いはない(B)、妊娠治療後に境界悪性卵巣腫瘍がわずかに増加するとの報告があるが、特定の薬剤ではない(C)、境界悪性卵巣腫瘍の活動性は低く予後は良好(B)、境界悪性卵巣腫瘍を避けるために薬剤使用を避けるという根拠はない(C)
2 乳癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)
3 子宮体癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)
4 甲状腺癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)
5 メラノーマ:薬剤によりリスクが増加するという十分な証拠はない(C)
6 大腸癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)
7 悪性リンパ腫:薬剤によりリスクが増加するという十分な証拠はない(C)
8 子宮頸癌:薬剤による有意なリスク増加はない(B)
解説:本論文は、妊娠治療に用いる薬剤での各種癌の頻度は増加しないことを示しています。境界悪性卵巣腫瘍のみ、わずかにリスクが増加する可能性が示唆されていますが、薬剤使用を避けるべき程の根拠はありません。したがって、現段階では、妊娠治療に用いる薬剤による癌の心配はないと考えてよいでしょう。
このように、現状、不妊治療のホルモン療法が癌のリスクを上げることはない、と言えますので、どうぞご安心ください。
なお、ここからは余談になりますが、
更年期時期の、更年期障害対策としても、ホルモン補充療法(HRT)が行われます。
その中身は、不妊治療のホルモン療法とは違いますが、その種類と癌の関係についてまとめてみました。
更年期において、HRTに期待される効果としては
◎ ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)、寝汗、睡眠障害、関節痛などを和らげる
◎ 抑うつ気分、または抑うつ症状を改善する。
◎ 骨を破壊する細胞(破骨細胞)の生成を抑えて骨密度を増加させる。(骨粗しょう症対策)
◎ 皮膚のコラーゲンやエラスチンを増やし、肌の張りや潤い、柔軟性を保つ。
など、更年期時期の女性のQOL(生活の質)を向上させることができるので、毎日元気で生活したいか、それとも、やっぱりがんのリスク回避したいか、など、何を優先するかになってくるかと思います。
ただ更年期においても、定期的に検査を行い、医師の指導の元の使用であれば、問題はありません。
▼参照:
監修:日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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ながいきや本舗店長で日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの松村と申します。
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