超音波検査などで妊娠が確認された後、妊娠22週未満の流産2回繰り返すことを「反復流産」と言います。
3回以上になると「習慣流産」と呼び、不育症の対象となります。
流産自体は、全妊娠の約15%の頻度で生じるといわれています。
その原因の多くは胎児の染色体異常であり、染色体異常は偶発的なものなので、一種の自然淘汰現象ともとらえられています。
ただ、どうして繰り返し流産となってしまうのか。
原因の一つとして挙げられるのが、女性の卵子の老化なのですが、
男性の精子にも原因があることがわかってきました。
複数の研究で、反復流産のカップルの男性パートナーの精子のDNA断片化が、健常群と比較して増加していることが報告されています。
DNA断片化とは、DNAが一本鎖または二本鎖に切断されることで、酸化ストレスによる精子のダメージによっておこります。
つまり、精子の状態も流産に大きく関わっている可能性が高いのです。
酸化ストレスを避けるためには、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス発散、など、生活習慣の見直しがまず大切です。
妊娠に関わることはどうしても、女性側ばかりが取り沙汰されますが、受精卵は精子と卵子の合体、赤ちゃんは男性・女性二人が関わるもの。
女性ばかり、ということは決してありません。
精子は毎日作られますから、毎日の生活の影響を大きく受けます。
もちろん女性もですが、男性の皆さんこそ、心身ともに健康的な生活を送っていただきたいと思います。