妊娠を望むなら、妊娠の成り立ちを知っておくことは非常に重要です。
その仕組みを理解していると、自分でできることは何かがおのずとわかってきますし、クリニックに行ってもドクターの言うことが理解しやすくなるからです。
多分、学校でも少しは教わったのかもしれませんが、殆どの方の記憶ははるか彼方・・・というより、学校で習ったことはほんのさわり程度だったのではないでしょうか。
なので、今一度ここで妊娠の成り立ちについておさらいいたしましょう。
前回は【卵子】についてみていきました。
今回は【精子】と【子宮】についてです。
精子はどうやって作られるのか
精子は、女子の卵子と違って、毎日作られます。
場所は、精巣(睾丸)内にある精細管という管の中。
精細菅の中で、精子の祖先である精祖細胞から精母細胞、精子細胞、と細胞分裂を繰り返し、約74日で精子が作られます。
その細胞分裂のために必要なホルモンは、実は卵子と同じ。
始まりは、やはり視床下部のGnRHです。
これにより、下垂体のFSHが分泌され、その刺激を受けて、精巣内の精母細胞が成長を開始します。
と同時に、下垂体からはもうひとつ重要なホルモンのLH(黄体化ホルモン)が分泌され精子の成長に必要な細胞に呼びかけて、男性ホルモンのテストステロンを分泌させ、精子形成を促します。
男性不妊治療第一人者で泌尿器科医の石川智基先生は、その著書の中で「精子は脳で作られるといっても過言ではない」とおっしゃっていますが、このように精子は、脳で分泌されるホルモンによって育ちます。
逆を言うと、卵子と同じく、ホルモンのバランスが上手くいっていないと精子はできないのです。
なお、精子は毎日生産されるため、射精の回数が多いと精子の数が少なくなる、ということはありません。通常、射精後3日も経てば精子の数は十分回復すると言われています。
子宮の成り立ち
子宮は、卵子と精子が受精した受精卵が根付く場所。
妊娠の最後の関門です。
子宮は妊娠に向けて厚みを増し、中身を充実させていきます。
まず第一段階として、卵巣から分泌されるエストロゲンによって厚くなります。
そして第二段階として、排卵後の抜け殻となった卵胞から分泌されるプロゲステロンによって、子宮の中身を充実させます。
たとえば着床に不可欠な因子のひとつに、LIFがあります。
LIFは、エストロゲンの分泌によって子宮内膜の上皮細胞で産出されるサイトカインで受精卵の着床に関わる重要な因子であり妊娠しないが原因がわからない、という方の場合、その濃度は低いという報告があります。
このLIFの分泌が妊娠の第一歩といわれるドクターもいらっしゃいます。
このように、受精卵がしっかり寝付くためには厚みだけでなく、中身も重要です。
なお、子宮内膜の厚みは、最低6mm、理想は8mm以上と言われることが多いですが、厚みが十分でも中身が潤沢でなければ、着床の環境が整ったとはいえません。
また、子宮内膜の要因のみで妊娠が成立する、しないが決まるわけではありません。
リプロダクションクリニック大阪・東京の松林秀彦先生は「子宮内膜が薄い場合には妊娠しない(あるいは妊娠率が低下する)のではないかと考えられておりますが、内膜の厚さが何ミリなら大丈夫、あるいは何ミリならダメという明確な線引きはこれまで証明されていません。」とおっしゃっています。
このように妊娠は、複雑かつシステマティック。
それぞれがタイミングよく連携しあって成立します。
よって妊娠できなくとも「これが妊娠できない原因だ」と、その原因を一つに絞ることは殆どできません。
それだけにやはり妊娠は「奇跡」と言えるのではないでしょうか。
前回の記事
・ 妊娠の成り立ちをおさらいしましょう【その1】
監修:日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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