2022年4月からの不妊治療保険適用について気を付けたいこと | ながいきや本舗妊活情報サイト

不妊カウンセラーマツムラの妊活アドバイス

2022年4月からの不妊治療保険適用について気を付けたいこと

2022年4月から不妊治療が保険適用となりました。

それに伴い、いくつか気を付けたい点を挙げておきます。

 

●治療開始前に必ずカップルで病院に行く

保険適用による人工授精や体外受精を希望される場合は、治療を始める前に、ご夫婦同席の上「治療計画書」を作成することが必須となります。

必ずしも初診時ではなく治療周期の初回ですが、保険適用を望む場合は、必ずカップルで病院に行くことが必要となります。

 

●法律婚・事実婚とも証明が必要

法律婚である場合はその事実関係を、法律婚以外の場合は事実婚関係にある旨を申告するとともに、以下アからウまでの内容について、病院で確認が行われます。

(確認方法は病院によります)

ア 当該患者及びそのパートナーが重婚でない(両者がそれぞれ他人と法律婚でない)こと。
イ 当該患者及びそのパートナーが同一世帯であること。なお、同一世帯でない場合には、その理由について確認すること。
ウ 当該患者及びそのパートナーが、治療の結果、出生した子について認知を行う意向があること。

 

●混合診療の禁止

混合診療とは、保険診療と自由診療を組み合わせた診療方法のことで、日本国内では原則禁止とされています

保険診療と自由診療を組み合わせた治療を受ける場合は、保険診療部分も含めて「自由診療」とみなされ、全額を自己負担で支払うことになります。

 

●先進医療との併用は可能

自由診療とは別に「先進医療」という診療方法があります。

先進医療は、厚生労働大臣が認めた「高度な医療技術を用いた治療方法」のことで、一定の施設基準を満たした特定の医療機関で受ける先進医療であれば、通常の保険診療と先進医療の併用が認められています。

現時点で、不妊治療分野で先進医療と認められたのは以下の治療法です。

◇子宮内膜刺激法(いわゆる、SEET法)
◇タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
◇子宮内膜擦過術(いわゆる、内膜スクラッチ法)
◇ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(いわゆる、PICSI法)
◇子宮内膜受容能検査(いわゆる、ERA)法
◇子宮内細菌叢検査(いわゆる、EMMA/ALICE法)
◇強拡大顕微鏡による形態良好精子の選別法(いわゆる、IMSI法)

以上の先進医療と保険適用の治療を併用した場合は、先進医療部分は全額を自己負担で支払うことになりますが(つまり10割負担)、保険適用される保険診療部分は3割負担となります。

 

●保険適用の条件とそれに伴う確認方法

保険適用には条件があります。

年齢:治療開始時点で43歳未満の方が対象

回数:治療開始時点の女性の年齢が、40歳未満の場合は1子ごと胚移植6回まで、40歳以上43歳未満の場合は3回まで

問題の回数をどう確認するのか?

厚生労働省から医療機関あてに、以下のような指導が出ています。

「患者及びそのパートナーについて、過去の不妊治療等の産婦人科・泌尿器科領域における治療歴(出産、流産、死産等の経過を含む。)、保険診療/保険外の診療の別、保険診療における生殖補助医療の実施回数、過去に治療を実施した他の医療機関など、治療上又は算定要件上必要となる事項について申告を求め、可能な限り確認を行うこと。

過去に治療を実施した他の医療機関がある場合には、当該医療機関に照会の上、治療歴の詳細や実施回数などを把握すること。
なお、確認した内容について診療録に記載(文書で確認した場合にあっては、当該文書を診療録に添付)すること。(以下省略)」

不妊治療で転院を行う際、紹介状が要らないとしている病院も多かったのですが、保険適用の治療を受けるためには、これからは紹介状が必要になるかもしれません。

 

●回数の数え方

この回数は「胚移植」を行った回数です。採卵の回数はカウントされません。

 

●貯卵は認められない

採卵術には回数制限はありません。43歳になるまでは何度でも保険診療で採卵ができます。

ただし、保険診療で採卵した凍結胚を持っている場合、融解して胚移植をしないと次回の採卵は保険適用されません。

つまり、採卵だけを続けて受精卵を移植せずに貯めてゆく貯卵は認められません。

 

そしてこれは、医療機関側の要件なのですが

人工授精を保険適用するためには、その医療機関が

■産科、産婦人科、婦人科、泌尿器科のいずれかを標榜し、

■産科、婦人科、産婦人科の経験が合計で5年以上、または泌尿器科経験5年以上の常勤医師を1名以上配置する

■不妊症患者の診療を年間20例以上実施する

■生殖補助医療管理料の届け出、または届け出医療機関との連携

などの施設基準を満たす必要があります。

人工授精は比較的設備が簡単で、いままで人工授精をやっていなかった医療機関でも「はい、やります!」と言えばできるところですが

保険適用で人工授精をしたいならば、行こうと思っている病院がこのような要件を満たしているかどうか、事前にチェックした方がいいですね。

 

現時点で、私が気になった点、気を付けたい点を挙げました。

またありましたら、随時お伝えいたします。

 

 

 

 

 

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