「妊活しよう!と決めたはいいんですが、何から始めたらいいでしょうか?」
最近私のプライベートの知り合いの方から、よくこんな質問をいただきます。
長年、妊活に関わる仕事をしてきた私としては、いろいろと言いたくなるところですが、でも初めからいっぺんにたくさん、は無理な話です。
また「子供が欲しい」という想いがどれくらいかによっても違いますね。
年齢も、正直あります。
そこで改めて、年代関わらず、想いの度合いかかわらず、まず始めてほしいことをまとめてみました。
これは実は、まず始めること、というだけではなく、すでに妊活中の方にも時折見直してほしい点でもあります。
これから妊活する予定の方、すでに妊活中の方、チェックしてみてください。
女性、男性別にご紹介しますね。
<女性>
◎基礎体温と月経周期を記録してみる
自分のからだのリズムを把握するためです。
なお、月経周期が規則的であると、95%排卵していると言われています。
◎葉酸サプリを摂る
赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは葉酸を一日400μgほど、サプリメントで摂ることを厚生労働省もすすめています。
妊娠1ヶ月前、といっても、いつ妊娠するかわかりません。なので、妊娠したい、妊活始めるぞ!と思ったら、すぐに葉酸の摂取は初めてください。
<女性・男性共通>
◎一日トータルして、バランスよく適量食べるように意識する。
あれを食べたらいい、これを食べたらダメ、ということではなくて、まずは三食を俯瞰して見て、なんとなくでもいいからバランスよく適量食べるよう気を付けてみてください。
◎からだの中を錆びつかせない!
からだの中を錆びつかせない、とは「抗酸化」ということ。
酸素は生きるために必須ですが、余った酸素は活性酸素となって細胞を傷つけてしまいます。それを防ぐのが抗酸化です。
活性酸素の働きを抑えるのは酵素や抗酸化物質ですが、酵素の働きは年齢とともに低下します。
よって、酵素の原材料である肉、魚、卵、大豆製品などたんぱく質や亜鉛、マグネシウムなどミネラルや、コエンザイムQ10など抗酸化作用が高い成分を補いましょう。
例えば、抗酸化物質は野菜、果物に多く含まれるので、サラダ、100%ジュース、スープ、煮物、炒め物など、野菜や果物を使った料理を毎食1~2皿とり入れるのも良いでしょう。
◎からだを動かす習慣をつける
血流を良くすることが第一の目的です。
血流は、妊娠に大切な栄養素やホルモンなど必要なものを、卵巣や子宮、精巣に運びます。
冷え=血行不良ですから、冷え対策としても、一番です。
方法は、エスカレーターではなく階段を使う、一駅余計に歩く、などから始めましょう。
家の中でスクワットもいいですね。
普段車の方は、車で行くところを自転車で行くとか、歩いていくとかしてみてください。
普段の生活の中から、からだを動かすチャンスを見つけましょう。いきなりジムなどに行く必要はないです。
◎やせすぎ・肥満に気をつけましょう
この場合の痩せすぎは BMI値【体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】が18以下、肥満は25以上です。
痩せすぎの場合、それが体質のせいだったら、変な食事をして無理に太ることはないですが、ダイエットで必要以上に体重を落としているのなら、それは止めてください。
太り過ぎの場合は、男性なら活性酸素が出過ぎて精子を傷めますし、女性なら、同じく活性酸素の出すぎで卵子の質を落としますし、排卵障害のリスクが高まります。運動不足や暴飲暴食が原因での太り過ぎは、即刻改めましょう!!
◎タバコ、絶対ダメ!!
妊娠がわかってから止める、なんて言ってはダメです。
喫煙は、卵子にも精子にもダメージを与えます。
なお、妊娠後の喫煙は、早期破水・前置胎盤・胎盤異常・早産や妊娠期間の短縮、胎児の成長が制限されたり低出生体重の原因となります。また出生後に、乳児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)を引き起こす可能性が指摘されています。
またオランダの研究では、男性の1日11本以上の喫煙で、流産リスクが増加することが判明しました。
妊娠したからと言って、突然禁煙できるものではありません。妊活しよう、と決めたら、男女ともタバコは絶対止めてください。
◎セックスをたくさんしよう!
自然妊娠を望むなら、セックスの回数を増やすことが一番の妊娠率を上げる方法です。
1回のセックスの妊娠率は20%と言われています。意外と低いものです。だから排卵日の付近に1回だけ、なんて正直甘いです。
ちなみに、排卵日の2日前が一番妊娠率が高いですが、排卵日は正確に測れるものではありませんから、生理が終わったころから一週間くらいの間、なるべく回数多くセックスしましょう。
難しいようなら、シリンジ法も一つの方法です。
◎よく寝る
やはり疲労がたまったからだでは、妊娠できる力は弱まっています。
しっかり寝て、疲労を回復して、細胞を修復させて、からだの新陳代謝を高めましょう。
・・・とまずやってほしいことを書きましたが、まとめると
☆ 食事・運動・睡眠を充実させる
☆ よく寝る
☆ たばこを止める
☆ セックスをたくさんする
☆ 女性は葉酸摂取
まずはここからスタートです。
欲を言うなら、不妊治療専門クリニックで不妊検査を受けもらった方がいいと思います。男女で。
例えば、排卵障害とか卵管が詰まっているとか、精液は出るけど精子がない、等は、日常生活にはほとんど支障がなく、外から見てもわからないので、検査しないとわかりません。
そういうことをほっといたままセックスしても、残念ながら授かるはずはなく、大きな遠回りの可能性も。
不妊検査で、男女とも問題ないことがわかった上で、先程いった「まずすること」を始めるのが、結局は近道です。
ちなみに不妊検査は、妊娠できるからだかどうか調べる検査なので、婦人科健診とは内容が違います。
なので、婦人科ではなく、不妊治療専門クリニック、もしくは不妊検査をやっている婦人科に行ってください。
ご不明な点やご相談などございましたら、いつでもお気軽に、まつむらまで!
個別にお話し、伺います。いつでもお待ちしております。