こんにちは。神戸の老舗妊活サポート専門ショップ「ながいきや本舗」の店長兼不妊カウンセラーのマツムラです。
ようこそ、妊活ブログへ!
いつも妊活に役立つ情報をお届けしておりますが、今回は私が個人的に「へ-」と思ったことを備忘録として書き留めておきたいので、脈絡なく順不同になるかと思います。ご容赦くださいね。
脱落膜って?
妊娠が成立すると子宮内膜が「脱落膜化」するとよく言われます。
「え?脱落ってことは、子宮内膜がどこかに落ちること?」って考え不思議に思ってたのです。
でも違いました。
脱落膜とは、受精卵の着床によっていろいろな内分泌の影響を受けて、厚く柔らかく変化した子宮内膜のことで、「落ちる」訳ではないのです。
逆に、脱落膜は非常に丈夫な粘膜で、一部は胎盤を構成します。そして妊娠中もずっと維持され、分娩後にやっと剥離・脱落します。
つまり、妊娠の最後に「脱落」するから「脱落膜」と言われるのです。
誤解がとけました。
AMHについて
今や不妊治療の検査として一般的になった感があるAMH検査。
AMHとは、アンチミューラリアンホルモン、または抗ミュラー管ホルモンの略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモン。
そのホルモン値を測定することで、卵巣内にどれくらい卵の数が残っているか、つまり、卵巣の予備能がどれくらいかを予測することができると考えられています。
ただ私が個人的に不思議に思っていたのが、発育中の卵胞から分泌されるホルモン値で「発育中」の卵胞がどれくらいあるかは予測できても、まだ眠っている卵子がどれくらいあるか、まではわからないんじゃないか?
たまたま今発育しているのはこれくらいだけど、眠っている卵子はもっとあって、次はもっと多く卵が育つ可能性だってあるんじゃないの?
ということでした。
つまり、発育中の卵子の数と、眠っている卵子の数との相関性が、イマイチわからないのですね。
多分、そこにはやっぱり相関性があって、「発育中の卵子の数が少なければ眠っている卵子の数だって少ない」ということなんだと思いますが、残念ながら私は、それを示すデータを見つけられていません。
その代わりというわけではありませんが、今年7月にフィンランドで開催されたヨーロッパ生殖医学会で発表された演題の中に、AMHについて興味深い記述があったので、ご紹介したいと思います。
「AMHは、卵巣刺激に対する反応性を予測するために用いられており、卵巣刺激にプロトコールを個別化し、FSHの投与量やIVFの結果の予測にも使用されている」(文献番号:r02200)
つまり、AMHは、これからの治療の方針を決めるための手がかりになる、ということ。
発育中の卵子がこれくらいありそうだから、これからどんな薬をどれだけ投与すればよいかを決める目安になる、ということです。
だからやはり、AMHは治療を進めるにあたり重要な指標といえるのでしょう。
ここで気をつけたいのは、AMHはあくまでも「数」的な指標であるということ。「質」まではわからないのです。
AMHは低くとも、その一つ一つの卵子の質が高ければ、妊娠に結びつきます。
またAMHは、ピルの服用、薬剤の種類、男性ホルモン、ビタミンDの量なので、増えたり減ったりする可能性があります。
ただそれでも、眠っている卵子の数が増えるわけではありません。
あくまでも、眠りから覚める卵子の数が変動する、ということなので、そこも誤解のないようにしたいところですね。