クリニックで治療中の場合、どうしても治療に頼りがちになりますが、
例えば、体外受精や顕微授精は、その排卵誘発が自然周期であれば毎月できますが、アンタゴニスト法やロング法などの卵巣刺激法の場合は、2-3ヶ月間を空けた方が良いので、毎月行うことが難しくなります。
でも妊娠率を上げるためには、回数も大切です。
つまり、妊娠するための行為や機会をできるだけ増やすことが、妊娠率を高める一つの方法となります。
そんな時、有効活用したいのがタイミング法です。
治療の合間にタイミング
もし今回の体外受精が陰性に終わった場合、刺激法によっては、次の採卵や体外受精が2ヶ月先になります。
その間何もしない、という選択ももちろんありますが、それでは妊娠できる機会を逸してしまうことにもなりかねません。
なので、その間はタイミングを取るといいでしょう。
ちなみに、性交渉による妊娠の確率が一番高いのは「排卵日の2日前」です。
ただ排卵日は、事前にきちんと「確定」させることはできません。よって「排卵日の2日前」も、あくまでも予測日であり、その日だけ性交渉をしても「実際は2日前は違う日だった」ということが、多いにあります。
よって、生理終了付近から排卵日と思われる日まで、だいたい一週間程度でしょうか、その間は、なるべく多く性交渉を行いましょう。
できれば毎日、無理なようでしたら2日に一回。
昔は「精子が薄まらないよう、なるべくためて」と言われていましたが、今は「精子は毎日作られるので、ためずにまめに射精した方がよい」とされています。
精子をためてしまうと、活性酸素が発生し、それが精子を傷めてしまうからです。
いつもフレッシュであるよう、頻繁に性交渉を行いましょう。
移植前にもタイミングを
特に体外受精・顕微授精の凍結胚移植をされる方に、ぜひやっていただきたいのが、胚移植前に性交渉です。
子宮に精液が広がることで、子宮が免疫寛容状態になり、着床が促進される可能性があります。
なお、胚移植後については、リプロダクションクリニック大阪・東京の松林秀彦先生はブログで「着床期の性交は妊娠率を低下させる可能性がある」とし「胚移植までに1~2回性交し、胚移植後の性交は控えるよう」とおっしゃっています。
まとめると
●移植数日前から移植前日まで1~2回性交する
●肺移植後は性交しない
●人工授精は精液を除去して精子を子宮内に注入するので精液暴露にはならないため、着床促進にはならない。
シリンジ法を使って
とはいえ、タイミングを取ることが難しいこともあるでしょう。
そんな時は、新しいタイミング法のシリンジ法を活用しましょう。
これなら、肉体的な負担があまりかかりませんし、お互いの仕事の時間帯がずれてタイミングが難しい方でも、比較的時間がかからずにすみます。
このように、タイミング法は、タイミング法だけ行う場合だけでなく、治療のアシストにもなります。
タイミング法にも、シリンジ法という新しい方法がありますので、治療中の方もぜひ有効活用していただきたいと思います。