「糖化」という言葉をご存知ですか?
糖化とは「たんぱく質と糖が結合すること」。
たんぱく質は、臓器や筋肉、ホルモンを作るのに必要な栄養素ですが、そのたんぱく質が糖と結びついてしまうと、たんぱく質が変性し、組織のつくりが弱くなり、臓器の働きが低下してしまいます。
糖については、通常「インスリン」というホルモンが制御しています。
インスリンは、すい臓から出る体内ホルモンの一つで、血糖値を下げる働きをします。
食事によって糖が取り込まれ、血中の糖の値=血糖値が上がると、すい臓からインスリンが分泌されます。
血糖が全身の臓器にとどくと、インスリンの働きによって臓器は血糖をとり込み、エネルギーとして利用したり蓄えたり、たんぱく質の合成や細胞の増殖を促したりします。
こうして食後に増加した血糖は、インスリンによって速やかに処理され、一定量に保たれます。
しかし、遺伝的素因や加齢、悪い生活習慣が重なると、インスリンの効き目が悪くなってしまいます。
これを「インスリン抵抗性」と言います。
インスリン抵抗性がついてしまうと、血糖がうまく処理されず、血糖値が高い状態が続き「糖化」が起こります。
そして、たんぱく質が変性し、「AGE」という老化促進物質ができるのです。
このAGEは活性酸素を増やし、酸化ストレスを増加させます。
それでさらにインスリン抵抗性が悪化し、インスリンの分泌する働きを更に低下させる、という悪循環に入ってしまうのです。
このAGEが、卵巣や卵胞液中にできると、卵巣の機能が低下します。
また男性においても、AGE、高血糖、高インスリンは精子の質に影響を及ぼします。
2011年のヨーロッパ生殖医学誌には、AGEが蓄積している女性ほど体外受精や顕微授精の成績が悪かったことから、AGEの蓄積は卵巣機能の障害や妊孕性の低下の一因となっていることを、直接的に示す論文が掲載されています。
このように「糖化」とそれによる「AGE」という物資は、卵巣の機能を低下させ卵子や精子の質を落とす原因となっているようです。
AGEを作らない、増やさないためには、血糖値を上げないことが大切ですが、それにはどうしたらいいのでしょうか。
それは次回にお話いたします。
監修:日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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