こんにちは。神戸の妊活サポート専門「ながいきや本舗」のマツムラです。
日本不妊カウンセラー学会認定不妊カウンセラーとなって5年になります。
勉強のために、不妊治療の最前線に立たれるドクターたちのブログをいつも拝見していますが、今回もまた、リプロダクションクリニック大阪・東京の松林秀彦先生のブログで、心打たれる記事がありました。
ながいきや本舗にも「なかなか妊娠できません」という切実なお声を頂戴しますが、妊娠は私たちが思っているほどたやすいものではなく、逆に、たくさんの過程をタイミングよくクリアしていった先にある、やはり奇跡の物語だと感じざるを得ません。
今回は、松林先生のブログを中心に、妊娠できる条件と妊娠しない原因について、考えてみたいと思います。
染色体異常のない受精卵であるか
妊娠する条件としては、まず、染色体の異常がない受精卵であることが必須です。
ただ先天異常は、生物が存続していく過程で必然的に発生し、しかもその頻度は比較的高く、ヒトでは約3~5%の頻度で発生するといわれています。
そして、この先天異常の原因には、偶発的に発生した染色体異常や内的因子(たとえばいわゆる多因子遺伝によるもの)ものが大部分を占めているのです。(日本産科婦人科学会 クリニカルレクチャーシリーズより)
つまり、誰が悪い何が悪い、ということではなく、男女二人がともに健康であってもからだに何の問題もなくとも、染色体異常の可能性はあるということです。
妊娠するための複数の関門
そして、染色体異常がなかったとしても、妊娠にいたるまでには以下の関門をクリアする必要があると、松林先生はおっしゃっています。
「生児を出産するためには、
1.染色体が正常な胚を子宮内に正確に移植し、
2.子宮内膜に胚の受容能があり、子宮が胚と同期し、
3.子宮が生理的、解剖的に適切であり、
4.血液中に着床を阻害する因子がないこと、
これらが条件となります。」
妊娠しない原因
ということは、妊娠するための複数の関門を逆に見てみると、なぜ不妊治療をしても妊娠が成立しないか、その原因が少しクリアになってきそうです。
松林先生はこのようにおっしゃっています。
「これを踏まえると、具体的には以下のことが考えられます。
1.誘発方法が好ましくなかった可能性があります。
2.培養環境が適していなかった可能性があります。
3.移植の際に内膜を調整する方法が適切ではない可能性もあります。
4.子宮の環境が適切でない可能性も考えられます。
5.腹腔内の環境が着床に好ましくないことも考えられます。
6.胚移植の方法が好ましくない可能性も考えられます。
7.使用するカテーテルやメディウムを改善することが良いこともあります。
8.胚と子宮内膜が同調していない可能性も考えられます。
9.子宮内膜に炎症があることも考えられます。
10.ホルモンの補充の仕方が適切でない、または合っていない可能性もあります。」
妊娠は奇跡なのか
これらも1.だけ、2.だけ、というわけではありません。
複合的に組み合わさって妊娠が成立しない場合の方が多いでしょうし、その組み合わせたるや、何遍通りにもなります。
妊娠する条件、妊娠しない原因・・・いずれにしても妊娠というのは複雑で、一筋縄ではいかない、まさに奇跡としか言いようがないと感じるのは、決して私だけではないと思います。
不妊治療は、これらの妊娠が成立しない原因を一つひとつつぶしていく作業なのかもしれません。
はまれば一気に解決しますが、はっきりわからないことが多いので、時間がかかるし、おまけに費用もかかる・・・
正直、もっと精度が高く一度にいろいろなことがわかる治療が開発されないものかと、切実に思ってしまいます。
それはわがままなのでしょうか。
<参照>
松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ
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