よくいただくご質問のトップ3に入るのが「胚移植後は、からだを温めないほうがいいって聞きましたが・・・」
結論から言うと、そんなことはありません。
逆に、からだを冷やしてしまうのはNG!!
でも、それはどうしてなのでしょうか。
からだを温める、その目的は?
そもそも「からだを温める」ということは、どういうことでしょうか?
暖房器具やカイロなどで、からだを外から温める、ということでしょうか?
温かい食べ物や、からだを温める性質があるといわれている食べ物を食べて中からからだを温める、ということでしょうか?
ではその前に、からだを温める目的は一体なんなのでしょうか?
特に妊活で「からだを温めましょう」と言われるのは何のため?
ずばり言うと「血流を良くする」ということ。
血流を良くするために、からだを温めるのです。
逆を言うと、血流が良くなるから、からだが芯から温まるのです。
単にからだの表面だけを温めても、妊娠だけでなく、日ごろの元気や健康のためにも意味はありません。
たまごちゃんを戻した後のこと。血流のこと。
受精した胚は細胞分裂が進み、子宮の内側に移動した後透明帯から脱出(ハッチング)して子宮内膜に着床します。
その後胚は活性化し、子宮内膜の上皮の間を分け入るように進入していって、子宮内膜にひと固まりとなって埋没していきます。
そして、子宮内膜内への埋没を完了すると、胚と母体の血流の交通が開始し、胚の栄養膜細胞からは大量のHCGが産生されます。
そして、母体の血液の中に分泌されたHCGは、黄体機能を刺激して、胚の着床を維持します。
このように、しっかりした着床のためには母体と胚との血流の交流が非常に重要。
つまり、母体の血流改善が必要なのです。
赤ちゃんを育てるためには栄養が必要
「胚移植後は、からだを温めたらだめなの?」という質問に対しては、厳密に言うと、なんともいえません。
でも「からだを温める」イコール「血流を良くする」ということであれば「胚移植後は、血流を良くしましょう。そのためにからだを冷えないようにしましょう」と申し上げます。
でもよく考えてください。
多分、そういう質問の背景には「たまご(受精卵)を温めすぎて煮卵になったらどうしよう」という心配があるのではないかと思います。
でも受精卵って、からだの奥の奥の奥にあるものです。
もし仮に、100歩譲って、「からだを温めすぎて受精卵が煮卵になる」のだったとしてもそんなに温めたら、その前に皮膚が焼け爛れてしまうでしょう。
そうなると、受精卵にも影響があるとはいえますが・・・
なので、「たまご(受精卵)を温めすぎて煮卵になったらどうしよう」は、ごめんなさい、荒唐無稽としかいいようがありません。
温める、というよりも血流を良くする
着床とその後の妊娠維持には、血流は非常に大切です。もちろん、卵胞を育てるために不可欠。
つまり血流は妊娠を支える大きな土台なのです。
ある不妊治療専門ドクターも「基礎体温を考えても、妊娠は高温期の継続が一つのサイン。これを考えると、着床し妊娠が継続されるためにはある程度高温の方が、着床環境には良いのではないか」とおっしゃっていました。
また本来、からだの機能を正常に快適に動かすためには37度の体温が理想的といわれています。
要は血流が大切なのです。
だから、血流が大事だからといって、頑張ってからだを温めよう!として、夏場でもがんがん暖房、汗をだらだら・・・というのは、基本的な健康のためによくないのはおわかりですよね。
これでは本末転倒。別の病気になってしまいそれが受精卵に悪い影響を及ぼす、ということはあるかもしれません。
とにかく、血流を良くすること。これは大切です。
だからといって、過剰になるのはNG!程度の問題なのは、世の常。
覚えておいてほしいのは、「胚移植後にからだを温めたらだめなの?」ではなく「胚移植後も血流が大切!」ということです。
▼参考
胚移植 とは
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