受精卵が着床するとき、子宮内膜は7-8mm以上あったほうがいい、とよく言われますが、絶対8mm以上ないといけないのでしょうか?
私がいつも勉強させていただいてる、リプロプロダクションクリニック大阪・東京の松林秀彦先生のブログや、両角レディースクリニックの両角和人先生のブログなどによると、一概にそうとは言えないようです。
タイミング・人工授精の場合
人工授精の場合は子宮内膜の厚みは関係ないということです。
なので、人工授精では子宮内膜厚が薄いからといってキャンセルすべきではありません。
体外受精・顕微授精
体外受精などの高度生殖医療の場合、内膜の厚さが何mmなら大丈夫、逆に何mmならダメという明確な線引きは、これまで証明されておらず、8mm以上あった方が妊娠率や出産率が高いので好ましいものの、8mmなくても、5mm、6mmでも妊娠される方はいらっしゃいます。
どうしても内膜が厚くならない、という方は、7-8mmにこだわらず移植を行うことも考えてもいいのかもしれませんが、この点は主治医の先生との相談が必要ですね。
なお、ホルモン補充周期で内膜が厚くならなくても、自然排卵周期では内膜が厚くなることがあるので、自然排卵周期を試すのも一つの方法です。
逆に厚すぎると、妊娠後の妊娠高血圧のリスクが高まる、という論文をリプロプロダクションクリニック大阪・東京の松林先生が紹介されています。
この論文から先生は、「12mm以上の子宮内膜は妊娠高血圧のリスク増加と有意に関連しており、そのリスクを軽減するための最適な子宮内膜は9~11mmである」と推察されています。
☆松林秀彦(生殖医療専門医)のブログ 子宮内膜が厚いと妊娠高血圧のリスク増加
厚くするためにできること
子宮内膜を厚くするために、自分でできることとしては
●血流を良くする
●バランスの良い食事
●定期的な運動
●良く寝る
●ストレス発散
という健康の生活原則が、やはり一番に来ます。
そうすることで、子宮を厚くするために必要なホルモンがしっかり分泌され、栄養もホルモンもしっかり子宮に届くようになり、厚みだけでなく子宮内膜の着床環境が整います。
なお、精白していない穀物「全粒穀物」が厚みを増すサポートとなるそうです。