ミトコンドリアは細胞にある、エネルギーを作り出す器官。
ミトコンドリアがしっかりエネルギーを作り出すことで、細胞は新陳代謝を繰り返すことができます。
逆にミトコンドリアがエネルギーを作り出さないと、細胞は老化します。

そんな大切なミトコンドリアも、えさがないと動きません。
そのえさの一つが「コエンザイムＱ１０」です。

今回は、中でも吸収率が高い吸収型コエンザイムＱ１０の開発者、株式会社シクロケム　寺尾啓二さんにお話をお伺いしました。

＜お話をお伺いした方＞
株式会社シクロケム　寺尾啓二さん
工学博士　　神戸大学大学院医学研究科 客員教授　　神戸女子大学健康福祉学部 客員教授
日本シクロデキストリン学会理事　　日本シクロデキストリン工業界副会長

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ながいきや本舗（以下な）：コエンザイムＱ１０と言えば、ミトコンドリアとの関係がぱっと思い浮かびます。ミトコンドリアの活性と抗酸化ですね。

寺尾：まさしくその通りです。コエンザイムＱ１０が不妊について効果があるかどうか、女性だけではなく、男性にとっても精子に対する活性化などは、全てミトコンドリアに関係しています。

精子には、核があります。それからヒゲがあります。そこの根元に襟巻きみたいなところがある。この襟巻きのところがミトコンドリアです。

精子を長生きさせて卵子のいるところまで到達させるという運動率、直進性の問題に、明らかにこのミトコンドリアが絡んでいます。いかにミトコンドリアを維持することができるか？それに必要なのが、コエンザイムQ10という成分です。

その後、卵子が精子を迎えて受精卵となり、一つの細胞から2分割、4分割、8分割、と細胞分裂が進んでいきます。

細胞分裂には大きなエネルギーが必要です。そのエネルギーを作り出すのがミトコンドリアであり、そのえさとなるのがコエンザイムＱ10。

つまり、受精卵の細胞分裂が順調に進み、グレードの良い胚を得るために、コエンザイムQ１０は深く関わっているということです。

な：コエンザイムＱ10は、人間の体内で作れるものなのでしょうか。

寺尾：はい、体内で産出されますが、２０歳をピークにどんどん減っていきます。

また、コエンザイムQ10の減り方は人によりますが、減る量が多ければ、細胞が減っていく割合も大きくなります。
例えば、不健康な生活をしていれば、コエンザイムＱ10の産出量は減り、それによってミトコンドリアのエネルギー産出量も減るので、細胞の量もどんどん減ってしまいます。40代はまさにその時期です。

な：ではそのタイミングで、外からコエンザイムＱ１０を補充することは大切ですね。

寺尾：　不妊の領域だけでなく、人間がいつまでも元気でいるために一番大切なのが、ミトコンドリアだと考えています。

なぜなら、エネルギーを作る器官であり、生命維持の基本だからです。

そのミトコンドリアの中で働くために、補酵素としてコエンザイムQ10が働いています。

では、なぜコエンザイムＱ１０がミトコンドリアで使われるのでしょうか？
ミトコンドリアは、エネルギーを作る際に、酸素をボンボン使い活性酸素を発生させていますが、実は、逆にその活性酸素に傷つけられて、ミトコンドリアは長生きできません。そのままだと、すぐにエネルギーは枯渇し生命を維持することができない一大事です。

しかし、からだは素晴らしい仕組みを持っています。そのエネルギーを作った時に使ったコエンザイムQ10が、同時に活性酸素を消去してくれるのです。

逆に言うと、コエンザイムQ10がなくなると、そのエネルギー反応も起こらない。活性酸素もやっつけられないという状態になります。その結果、細胞の元気がなくなる。それが老化です。

なので、細胞自体を元気にして老化を予防するには、ミトコンドリアをずっと元気にしておく必要があります。

そのためにはエネルギーがしっかり作られ、ミトコンドリアが壊れないように、活性酸素を消去しないといけません。

その「エネルギーを作り出すこと」「活性酸素を消去すること」この２つにコエンザイムＱ10は働くわけですから、コエンザイムＱ１０はミトコンドリアを内から外から守る騎士、と言えますね。

な：そうですね。コエンザイムＱ１０は本当にすごいですね。現在不妊治療の領域でもミトコンドリアが注目されているので、ミトコンドリアを守るためにも、コエンザイムＱ１０を活用していきたいと思いました。本日は、どうもありがとうございました。