不妊治療の助成については、体外受精や顕微授精、男性不妊の手術など高度生殖医療に対する助成がありますが
この平成29年10月2日から、東京都では不妊検査及び一般不妊治療(タイミング法、人工授精)に対する助成が始まりました。
助成の内容
保険医療機関にて行った不妊検査及び一般不妊治療に要した費用(保険薬局における調剤を含む)について、5万円を上限に助成
助成の対象となる主な不妊検査及び一般不妊治療
<不妊治療>
男性 : 精液検査、内分泌検査、画像検査、精子受精能検査、染色体・遺伝子検査 等
女性 : 超音波検査、内分泌検査、感染症検査、卵管疎通性検査、フーナーテスト、子宮鏡検査 等
<一般不妊治療>
待機療法(タイミング指導)、薬物療法、人工授精 等
対象となるための条件
1.検査開始日において法律上の婚姻関係にある夫婦であること。(事実婚は対象外)
2.検査開始日における妻の年齢が35歳未満の夫婦であること(夫の年齢制限はなし)。
3.検査開始日から申請日までの間、夫婦いずれかが継続して都内に住民登録をしていること。
4.保険医療機関において夫婦ともに助成対象の検査を受けていること。
助成対象期間
検査開始日から1年間
※ 夫婦それぞれの検査開始日のいずれか早い日から起算
その他注意事項
● 原則として平成29年4月1日以降に不妊検査を受診した方が対象
● 夫婦いずれか一方が検査を受けただけでは助成対象となりません。
その他詳しくはこちらをご確認ください。
定期的に性交渉を持ちながら一年を経ても妊娠しない場合は、妊娠しづらい要因がないかどうかの不妊検査をされることをおすすめしますが、病院に行くことに抵抗を感じていたり、検査=体外受精などの高度生殖医療、と思われて、検査自体に二の足を踏まれている方をしばしばお見受けします。
特に、女性より男性の方が、抵抗を感じ検査を拒否される方がまだまだ多いです。
生活習慣を変えたり食生活を変えることで、妊娠しやすいからだを作ることはできますが、それだけでは治らない疾患というのがあります。
例えば、卵管が詰まっている、狭い、癒着があるなどの卵管因子、何らかの免疫異常で抗精子抗体(精子を障害する抗体)、精子不動化抗体(精子の運動を止めてしまう抗体)を産生するといった免疫因子など。
これらは、症状がなく無自覚な場合が殆どですので、無自覚=大丈夫だろうと検査をしないまま、自分達で頑張っても一向に妊娠せず、時だけが過ぎてしまう、ということになりかねません。
厳しい見解ですが、妊娠は年齢との関連が非常に強いものです。もちろん個人差は大きいですが、生殖年齢は25歳から35歳とされていることを考えると、年齢が高い場合はあまり悠長なことは言っていられません。
時間を無駄にしないためにも、まず検査だけでも受けていただきたいと思います。それも、男性も女性も。
でも、このような「不妊検査」に対する助成があると、少しは検査を受けやすくなるのではないでしょうか。
今回は東京都の事業をご紹介しましたが、他の自治体でも行っているところがあります。
▼ 広島県
▼ 埼玉県
▼ 鳥取県
などです。詳しくはお住まいの自治体にお尋ねください。