不妊鍼灸治療のトップランナーともいえる明生鍼灸院。鍼灸学会のみならず日本生殖医療学会などドクターと同じ土俵でも学会発表を重ねています。臨床と平行して研究を重ね、鍼灸不妊治療分野の裾野を広げる活動も積極的に行っておられます。インタビューは非常に分かりやすく東洋医学、鍼灸治療での不妊領域への有効性を語っていただきました。
木津 正義 副院長
副院長プロフィール:
平成9年
明治鍼灸大学(現:明治国際医療大学)鍼灸学部 卒業
明治鍼灸大学付属病院 卒後研修生として主に内科学教室にて研修
平成12年
旭川リハビリテーション病院 勤務
平成14年
明生鍼灸院 勤務 現在に至る
所属学会・役職等:
不妊鍼灸ネットワーク学術部長
全日本鍼灸学会 認定鍼灸師
日本生殖医療学会 会員
日本プライマリケア連合学会 会員
治療に使う鍼について
ながいきや本舗:それはぜひお伝えしたいところですね。鍼灸となると痛いとか、それだけでちょっと二の足を踏んでらっしゃるところがありますよね。男性の方が鍼灸に対して少し壁があるらしいですけど、女性は意外と目的のためならやるわ!みたいになりますね。
院長:やっぱり女性は痛みに強いですね。ただ鍼は基本的には痛くない。多くの方が西洋医学で使う注射針をイメージされていますが、鍼灸針は注射針の液を通す穴の中に何本も鍼が入る細さです。蚊の口器先端が0.08ミリから0.1ミリと言われていますが、それとほぼ一緒ぐらい細いのです。
ながいきや本舗:鍼の話が出ましたが、不妊治療に使われる鍼というのはその特長はありますか?決まった長さ、太さがあるとか。
院長:基本的にはありません。明治国際医療大学の北小路先生が泌尿器科の分野で非常に特殊な鍼をやっておられて、その泌尿器科の治療が不妊にも効果があるんじゃないかということで共同研究させていただいて、不妊治療に取り入れたところ非常に効果がありました。
この治療を行う場合は特殊な、どちらかというと少し太く(0.3㎜)長い鍼(60㎜)や、低周波の鍼通電を用いますが、ベースの不妊治療としては長さ30㎜で太さが0.1㎜から0.18㎜ぐらいの太さの鍼を使う治療を行っています。
ながいきや本舗:それだけ細い鍼を使われる理由は女性が対象ということもありますか?
院長:いえ。基本的には強い刺激をしなくても鍼の治療効果があります。ですから長くて太い鍼を使って深く鍼をする必要性もないのです。
ながいきや本舗:それはなんか安心感があるお話ですね。あんまり太くて長い鍼使わないんですよっていうのは。
副院長:そうですね。ただ、中には先程もお話に出てきた特殊な鍼を使わざるを得ない方もいらっしゃいます。自律神経の調整や不定愁訴に対しては軽い刺激の方が逆に効果的だと考え、子宮の血流や卵巣の周囲の血流を良くするには特殊なやり方をしているとご理解いただければと思います。
ながいきや本舗:はい。とてもよく理解できました。