新しいタイミング法としてシリンジ法があります。
これは簡単に言うと、スポイトなどで精液を膣内に注入する方法です。
一見、人工授精に似ていますが、タイミング法(性交渉)に近いです。
なぜなら、シリンジ法は、タイミング法と同じく射精精液をそのまま使用しますが、
人工授精の場合は、元気な精子だけをピックアップして受精率を高めるために、精液を人工的に処理する精子洗浄濃縮法を行います。
また、シリンジ法は膣内射精となりますが、人工授精は精子を子宮内に注入します。
よって、シリンジ法の妊娠率はタイミング法と同じ程度ですが、人工授精はタイミングやシリンジ法と比べて、妊娠率は2倍くらいになると言われています。
を思い出していただきたいのですが、そこでは治療のステップアップのタイミングとして
35歳未満:タイミング3回→人工授精5-6回→体外受精
36~37歳:(タイミング法は行わずすぐに)人工授精3-4回→体外受精
38-39歳:(タイミング法は行わずすぐに)人工授精2回→体外受精
40~42歳:(タイミング法は行わずすぐに)人工授精1回→体外受精
43歳以上:すぐに体外受精
とご紹介しましたが、ここで言う「タイミング」を「シリンジ法」に置き換えると、シリンジ法は何回までか?と問いに対する答えが出てくるかと思います。
つまり、女性が35歳未満であれば、シリンジ法は3回まで、35歳以上の方は、シリンジ法は飛ばしてすぐに人工授精からが望ましい、ということです。
ただし、35歳未満であっても、女性側に排卵障害や卵管が詰まっているなど、男性側に精子状態が悪かったり、そもそも精子が少ない、無い、などの問題があれば、話は別です。
そういう問題がある場合は、いくらタイミングやシリンジ法をやっても、妊娠しづらいので、すぐにクリニックに行って不妊治療を受けられることをおすすめします。
少し厳しい話になってしまったかもしれませんが、妊娠は残念ながら年齢が大きく関係しています。
そのことを頭に置いて、あとは、ご夫婦の熱意の程度、経済状況、仕事、環境などいろいろな要素を踏まえ、妊活を進めていってほしいと思います。
またご不明な点やご相談などございましたら、いつでもお気軽にお尋ねくださいね。