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妊活ブログ:ビタミンB3(ナイアシン)が流産防止に!

こんにちは。神戸の老舗妊活サポート専門ショップ「ながいきや本舗」店長兼不妊カウンセラーのマツムラです。

ようこそ、妊活ブログへ!

今回もどうぞ最後までお付き合いくださいね。

さて今回は、最新の生殖研究についてお伝えいたします。

ビタミンB3が流産や先天異常のリスクを低減

オーストラリア・シドニーの「 ビクター・チャン心臓病研究所(Victor Chang Cardiac Research Institute )」研究チームが、本年8月10日に、世界で最も権威ある医学誌である「the New England Journal of Medicine」に「ビタミンB3は流産や先天異常を引き起こすリスクを低減する」と発表しました。

この世界初の画期的な発見によって、生殖の大きな問題である流産や多発性のタイプの先天異常を予防できると期待されています。

鍵はNAD

それにはNADをご紹介しなくてはいけません。

NADとは<Nicotinamide adenine dinucleotide>の略で、日本語では「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」と言います。

この分子は、生きている全ての細胞の最も重要な分子の1つで、NADの合成は、エネルギー産生やDNA修復、細胞のコミュニケーションに欠かせません。

今回の研究では、このNADの欠乏が特に妊娠中に有害であり、器官発達の重要な時期である妊娠初期のビタミンB3濃度が低いと流産や先天異常のリスクが高まることが判明しました。

そして、このNADの合成に欠かせないのが、ビタミンB3なのです。

ビタミンB3とは

ビタミンB3とは、ナイアシンアミド(ニコチンアミド)とナイアシン(ニコチン酸)の総称であるナイアシンとも呼ばれ、ビタミンB群の仲間で、水に溶ける水溶性ビタミンです。

全身で500種もの酵素の補酵素として、糖質、脂質、たんぱく質から、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助する働きをします。

これにより、皮膚や粘膜の炎症を防ぎ、健康維持を助けます。

不足すると、皮膚炎・下痢・精神神経障害を主症状とするペラグラを引き起こす恐れがあります

主にかつおや牛・豚の肝臓、落花生やシメジに多く含まれています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、30-49歳女性のビタミンB3(ナイアシン)の一日の推奨摂取量は12mgNEですが、平成25年の国民健康・栄養調査では、女性は平均13.1mgNE摂取しており、推奨量を充たしているといえます。

ただし、アメリカの栄養学雑誌「Journal of the American College of Nutrition 」の最近の調査によると「ビタミンサプリメントを摂取しているにもかかわらず、妊娠中の女性の少なくとも3分の1は、妊娠初期のビタミンB3濃度が低く、妊娠後期においてもビタミンB3レベルは妊婦の60%で低かった」ということです。

これはアメリカの例ではありますが、もしかすると日本でも、妊活中や妊娠中の女性のビタミンB3不足が、流産や先天異常のリスクを高めている可能性があります。

研究内容と今後の課題

稀少な遺伝的な問題がない正常なマウスにおいても、低レベルのNADが、複数の先天性欠損や流産の原因となることが判明しました。

また、妊娠中のマウスに高用量のビタミンB3を投与すると、全てのマウスにおいて先天性欠損や流産が防止されました。

今後は、流産や先天異常予防に必要なビタミンB3の用量を定めることが、一つの課題です。
そして、NADレベルを測定するための診断テストの開発も、課題の一つ。

これにより、先天性欠損の赤ちゃんのリスクが最も高い女性を特定し、十分なビタミンB3を投与し予防することができるようになるとのことです。

ビクター・チャン心臓病研究所のDunwoodie教授は「12年間の研究の結果、我々は、ビタミンB3の摂取レベルを上げることでNADの欠乏を防ぎ、流産や出生異常を予防できることを発見しました」とおっしゃっています。

また「脊髄二分脊椎を防ぐために葉酸を使用するように、今回の研究は、女性がビタミンB3を妊娠する前から早期に摂取することが、おそらく最良であることを示唆している」としています。

葉酸に合わせてビタミンB3を摂ることで、胎児が健やかに成長し、無事に出産を迎えることができる可能性を、さらに強固にできるといえるでしょう。

▼参照:
Historic Discovery Promises to Prevent Miscarriages and Birth Defects Globally

ナイアシン解説 – 「健康食品」の安全性・有効性情報

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