プロフィール:
鍼灸きよら 院長 武藤 克芳
開業 平成24年1月
経歴:
呉竹鍼灸専門学校(現:呉竹鍼灸柔整専門学校)
接骨院に3年勤務、鍼灸治療院約11年勤務
ケアマネージャーの資格を持ち介護施設でも活躍
得意な治療・疾患:
肩こり腰痛はもちろん坐骨神経痛や各所シビレ症状
のぼせ冷えなどの自律神経の症状
不妊治療
突発性難聴では医師の判断により病院からの紹介も多数
資格:
鍼灸師、あん摩・マッサージ指圧師、介護支援専門員
不妊カウンセラー
所属:
一般社団法人 健康美容鍼灸協会 正会員
NPO法人 日本不妊カウンセリング学会
一般社団法人 日本生殖医学会
趣味:
野球、神社仏閣めぐり。
座右の銘:
大切なものは目に見えない
体質改善で妊娠率を上げる!
森山:鍼灸きよらの治療の特徴はどのようなことでしょうか。
武藤先生:もともとはスポーツ疾患を専門に勉強してきています。トリガーポイントという鍼灸の治療法やスポーツ心理学などを学んで、スポーツ選手の治療を主に行なっていました。この辺りは日本で唯一の競輪学校があるので、その関係で今でもプロの競輪選手の体は継続して診ています。競輪学校を卒業してからもトレーニング期間などに体の手入れや治療をしに全国から戻って来る選手たちがたくさんいますよ。もちろん地域のお年寄りの痛みの治療や疲れを取るような治療もしていて地域に根付いた医療を提供するように心がけています。
鍼灸きよらの子宝鍼灸治療について
森山:始めたきっかけを教えていただけますか?
武藤先生:もともと肩こりや腰痛などで治療にいらっしゃっている患者さんからの相談が一つのきっかけでした。ちょうど私や妻も不妊当事者の患者さんと同世代という事もあり、自分たちの同級生からも赤ちゃんができないで困っているのだけど体質改善に鍼灸はどうかという相談もありました。身近なところでの悩みを聞いて不妊の専門知識を深め、不妊鍼灸治療に本格的に取り組むきっかけになりました。
森山:患者様の特徴、不妊治療との併用などについてはどうでしょうか。
武藤先生:この近くには不妊専門クリックが幾つかあって立地的にはちょうどその真ん中あたりになります。それもあって、周辺クリニックで治療を受けている方が多くて、県内の各地から車に乗って治療に来られる方も多いですね。鍼灸は初めてという方もインターネットで検索して、鍼灸きよらのホームページを見て来られます。特徴としてはご夫婦で治療に来られるカップルが多い事でしょうか。
不妊鍼灸治療の方針、進め方
森山:不妊鍼灸治療の方針というか始め方、進め方はどのようなものでしょうか。
武藤先生:初めて鍼治療を受けられる方の場合には、ゆるやかな刺激から始めて行きますね。刺激が強すぎて痛いのに我慢するとつらいし、きついですから。効果を出すためにはまずリラックスして治療を受けていただく必要がありますので、鍼灸が初めての方や刺激に弱い方とある程度鍼灸の経験がある方では刺激の仕方を調整して治療しています。
森山:特に効果的であると思われる不妊の原因、症状などはありますか。
武藤先生:鍼灸きよらではサンビーマーを導入していますが、PCOSの方で結果が出始めていますね。クリニックではPCOSは体質だからね、という説明もあって具体的な治療法がない、お薬もクロミッドを出したりしますがはっきりしません。サンビーマーは骨盤内の血流を上げる役割で、鍼灸の方はホルモンバランスを整えたり、自律神経の出し入れというか調整を行います。ここのところPCOSの方で、しっかり一つの卵胞が育ってきて排卵できたという方が続
いています。
不妊カウンセラーとして患者様と接することについて
森山:男性不妊カウンセラーとしてのスキルをどのように治療に活かしておられますか。
武藤先生:不妊カウンセラーを取ろうと思ったきっかけは、病院との連携ができるようになることですね。不妊カウンセラーはカウンセリングの知識だけではなく、不妊治療を総合的に基礎から学ぶことで、先生のお考えがわかるようになって不妊治療が病院、鍼灸院とそれぞれ別々のものだった、点の治療から連続した線の治療につなげられるということです。不妊治療を行う上では、鍼灸治療だけ、病院での治療だけということではなく、両方の治療の連携がとても有効だと思います。患者様の今受けている治療の周辺情報を知ることで、病院でやること、鍼灸でやること、鍼灸でしかできないことが明確になります。
森山:不妊カウンセリングだけ行うこともありますか?
武藤先生:治療の間にお話をすることはあります。治療時間は40分ですが、患者様によっては30分くらいお話をすることもあれば、お話よりもゆっくりしたい方には、治療に入る前に最初に少しだけお話しということもあります。時間は40分と決めていますが、妻がサポートとしてお話をすることもあったりしますので、時間的には余裕を持って治療をおこなっていますね。治療室も個室で3つありますので上手に活用しています。
不妊治療では気持ちの部分で本当にいろいろな悩みがあります。女性にとっては治療を受ける時の体のことはもちろん、内診ひとつとってもそうだし、ご主人のこと、経済的なこと。絶対に病院の中では話せないような悩みもたくさんお伺いします。
患者様への心配り
森山:不妊専門の治療院とはしていない理由はありますか?
武藤先生:まさしく、今言ったことがその理由ですね。例えば私が不妊専門鍼灸院に行くとなった時にはとても入りにくいと思います。鍼灸きよらでは6割か7割くらいの方は、ご夫婦で治療を受けられます。レディースクリニックに入る時には女性の方でも抵抗があるんじゃないかと思いますが、男性ならなおさらです。それが鍼灸治療院というまだまだオープンではないところ、ただでさえ入りにくい鍼灸院にさらに不妊治療というハードルを設けると余計にプレッシャーとか、周りからの目も感じるのではないかと思ってあえて不妊専門にしていません。
不妊は特別な事ではない
森山:不妊は特別なことではない?
武藤先生:そうですね。不妊クリニックでプレッシャーを感じてさらに鍼灸院でも、というのはどうかと。不妊は特別なことではないし、地域のおじいちゃん、おばあちゃんがいるところで同じように治療を受けられたらいいと思います。表向きは不妊専門ではなくても、きちんと個室になっていて不妊についての専門的な知識をもった治療家が治療をすることでの安心感を提供したいと考えています。
森山:それはとても患者さんにとっては優しいお考えだと思います。鍼灸院をどうやって選んだらいいか、という質問はながいきや本舗にもよくある問い合わせなんです。表向きは不妊専門ではなくても、プライバシーは確保されて治療だけだはなくカウンセリングの知識、スキルもある先生に悩みを相談できて治療も受けられるというのは最高の環境ですね。
武藤先生:病院にはありませんね。相談はカウンセラーか看護師さんにってなりますもんね。本当は先生に相談したいのに。どなたでも緊張しないで来ていただける治療院にしたいので、何かあったら鍼灸きよらに相談してみる。そんな治療院を目指していますね。
地域医療の一員としてのこれから
森山:今後の子宝鍼灸治療と不妊カウンセリングについての構想などがありましたら。
武藤先生:今後の目標は地域の医療連携ですね。最近では病院の先生も体質改善は必須と考えておられる方が多いです。例えば、体外受精、顕微授精など高度不妊治療は進んでいますがそれだけでどこまでも妊娠率は上がって行くことはありません。そういうことから考えると地域で連携をして患者様のためにできることを増やすことがいいと思います。例えば高度不妊治療を受ける場合には、治療の前に先生から何度も成功率は30%程度ですと念を押されることがあります。じゃあ、残りの70%はどうすればいいのかな、と患者さんはお考えになるわけですから、そこは自分で体質改善なりをやっていくしかないんじゃないかと考えています。そんな時に鍼灸や体を温めることで母体の健康とか体調をキープすることを取り入れる事を薦めていきたいですね。鍼灸は刺激療法なので副作用もありませんし何より体に優しいですよね。
森山:そうですね。治療の前に70%も不成功の確率があると言われれば誰でもそう思います。
不妊治療は特別なことではなくて地域医療として専門医に診てもらえれば安心して治療も受けられます。
どうしてもこの病院でなければできないという特殊な治療以外は、身近でなんでも相談できる、地域の赤ひげ先生的な存在があるというのは本当に心強いですね。