ながいきや本舗妊活情報サイト

こころの穴の埋め方

あるサイトを見ていたら、こんなご質問と回答がありました。
質問されている方は40歳の女性。
「子供が欲しくて30代はずっと妊活や不妊治療を頑張っていたけれど
40歳になり夫婦2人で生きていくことを決めました。
仕事は正社員、夫も家もあります。
幸せですか?と聞かれれば「幸せです」と答えられるけれど
心にぽっかり穴が空いたようで、何をしても埋まりません。
周りには「あきらめちゃうの?」と聞く人もいて
どんな気持ちであきらめたかなんて
他人には分からないことだから仕方ないと思いつつ
心の穴はどんどん大きくなるばかりです。
これから10年20年、そして
孤独が待っているであろう老後に向けて
何を心の糧に生きていけば良いのでしょうか?」
それに対する回答者の方は、アラフィフの女性ジャーナリストで
ご自身も子供が欲しかったけれど、旦那様のご病気で
断念せざるを得なかった経験をお持ちです。
「夫婦二人で生きていくということを、よくぞご決断されましたね。
命に関わる問題の決断をするのは、本当にきついことです。
私たち夫婦が、子供を持つことをあきらめようと即座に決められたのは、
それまで子供について、また今後の生き方など、様々なことについて
夫としっかり話し合ってきていたから、
というのが大きかったと思います。
それだけに、このような決断がどれだけ厳しいことか、
私なりに分かっているつもりです。
そしてその厳しさは、経験したことがない人には分からないでしょう。
だから「あきらめちゃうの?」と聞く人たちは本当に無神経だと思いますし
一方で、分かるわけがないのだから仕方がない、と私も思います。
そういう方々に理解してもらうためには
「わかってほしい」と発信し続けないといけないかもしれません。
でも今の貴方には、
ご自身の心の穴を見つめることの方が大切なのではないでしょうか。
「心の穴がどんどん大きくなるばかり」という感覚は、
大切な人と死別したときと同じだと思います。
その死別を経験した私が今、4年の時を経て感じていることは、
心の穴を埋めるものはない、ということです。
穴は穴としてあり続けるし、乗り越える必要もない。
ただ、
その穴と同じだけの大きな何かを自分は手にしている、ということも
また確かです。
それが何なのか。
子供がいたら得られなかった出会い、体験、使命・・・
それにこれから気づけるかどうかは、貴方次第です。
今はまだお辛いと思います。今すぐ、とは申しません。
少し心の余裕が生まれてきましたら、そちらにもどうか目を向けていっていただけたら
と願っています。
それまでは、焦らず一歩一歩丁寧に生きてまいりましょう。
食べたり、飲んだり、歩いたりといった、日常の小さな行為を丁寧に味ってみてください。
辛いときは、食べ物の味なんて分からないかもしれません。
でも食べること自体を味わっていると、苦しいと感じ続けているその状態に
ほんのかすかな隙間を感じる一瞬に出会えるかもしれません。
それを、少しずつ広げていくということを、まずは意識してみて下さい。
10年も20年も先のことを考えて、焦る必要はありません。
だって、穴は埋まらないですし、埋める必要もないのですから。」
****************
貴方はどう感じられましたか。どう思いましたか。
確かに、
空いてしまった穴を埋めることができたとしても
「空かなかった」頃に戻ることはできないし
完全には埋められないかもしれません。
穴は穴、なのです。
そう考えると、
人生が進むことに、人の心には
一つではなく、無数の穴が大なり小なり空いてしまい
それを埋める作業の繰り返し。
でも良く見ると、
穴が空いた=掘った分の盛り土が横にあり
それが別の希望となって、また人生を進んでいく原動力と
なっているのかもしれない、とも思いました。
回答者の方はご自身の経験から
「穴は埋まらないですし、埋める必要もない。乗り越える必要もない。」
とおっしゃっていますが、それは決して
「未来がない」ということではないと思います。
私は、穴を埋めようと一生懸命になるのも、
それが生きる力になるのであれば「あり」だと思います。
でも、穴を埋めようと努力することが辛く悲しく、
自分を傷つけることになるのなら
今は一旦
放っておいてもよいのではないでしょうか。
私たちが進む道は、自分の目の前だけに広がっているわけではなく
左にも右にも後ろにも、
四方八方に広がっています。
目の前の道に穴があいていて
その先進めなくても
その横の道を進むと、今までに考えたこともない世界が
広がっているかもしれません。
だから、安心してください。
穴は穴のままで。
でも道はある。

モバイルバージョンを終了