りこさんからのご相談
Q友人から妊娠したと報告がありました
38歳で、不妊治療を始めて3年になります。
体外受精を2回行い、一回目は陰性、二回目は心拍確認まで行きましたが流産となりました。
今は次の採卵に向けてからだを休めているところです。
流産から2ヶ月、心の整理はついたつもりでしたが、先日、同じく不妊治療をしていた友人から妊娠した、とメールがありました。
私は、自分の流産について家族以外は誰にも言っていないので、彼女は当然知りません。
「おめでとう」と返信しましたが、やっぱりつらかったです。
他の周囲の友人や同僚も次々と妊娠していき、焦ったり「なぜ私だけ・・・」と悲しくなったり「私は妊娠できるのだろうか」と不安になります。
主人は治療にも積極的に参加してくれますし、私の気持ちも理解してくれています。
また、子供がほしくて君と結婚したんじゃない、君がいてくれればいい、とも言ってくれます。
そんな優しい主人を大切にすることが最優先だとは思うのですが、でもやっぱり苦しいです。
どうしたらよいでしょうか。
A感情は大事。でもここはあえて「戦略」を
りこさん、ご相談ありがとうございました。
強く願っても努力しても自分の願いが叶わない。
その願いを他の人はいとも簡単に実現してみせる。場合によって「棚ぼた」式もあるくらい・・・
そんな時、本当に辛いですね。
なにが悪いの?私のどこが足りないの?教えて・・・
と叫んでみても、誰も答えてくれません。
なぜなら、本当にわからないから。
そして、嘆いても仕方がないとわかっていても、割り切れない。そんな自分も嫌。
その繰り返しで、どんどん深みにはまり、本当にどうしたらいいのか、と途方に暮れてしまいます。
本当にどうしたらいいのでしょう。
私は妊活ではありませんが(そもそも妊活できなかったのですが・・・)実は叶えたい願いがあり、そういった心の変化を体験してきました。
正直、今もその種火はくすぶり続け、完全に解決できたわけではありません。
でも思うのです。多分他の人から見たら「あら、そう?そんなこと?」と言われることかもしれませんが、私にとっては大切なこと。
大切なことだからこそ、これだけ悲しみ、苦しみ、悩むのです。
そんな自分の気持ちを、自分を責めるのではなく、受け止めましょう。いいも悪いもなく。
「そんなに大切に思っているんだな、わたし」と言う感じです。
私は自分の体験で、そうやって少し俯瞰して自分の気持ちを見てみると、少し落ち着けるようになります。
感情は大切です。でも過ぎると、自分のからだや心を傷めることになってしまいます。
そうなると、妊娠できるからだから遠ざかってしまいますので、ここは大人の分別、大人の妊活として、意識して冷静になることが大切だと思います。
その上で、冷静にこれから自分ができることを考え、実行していきましょう。
それは「戦略」。感情に流されず戦略を立てられるのも、大人の妊活です。
そして、私はずっと心の底で信じていることがあります。
それは「人生に無駄はない」ということ。そして「今自分に起きていること、将来おきることが、自分にとってベストだ」ということです。
これはうちの母の口癖だったのですが、実母という贔屓目を差引いても、人生78年の先輩が実感を伴って言うことは真実だと思っています。
これを、自暴自棄になりそうになる時、思い出します。
結局他人は関係ありません。
自分達夫婦の一番タイミングの良い時に、一番良いことが起こる。
お友達の場合、たまたまそれが先日だっただけ。他人は関係ない。
私も正直行きつ戻りつですが、でもそれを思い出すことで、少し楽になりますし、自分は自分、じゃあこれからどうしていったらいいか、ということに集中できるようになりました。
「これから私たちはどうしたいか」「これから私たちはどうしようか」
それをご夫婦で話し合ってみるのもいいかもしれませんね。
りこさんのお気持ちを理解してくれるご主人なら、これからのことも一緒に考えてくれると思いますし、一緒に考えることで、また絆も深まるでしょう。
悲しみ、焦り、不安・・・湧き上がる感情は仕方ない。むしろ自然なこと。自分を否定する必要は全くない。
また感情はずっと同じレベルがキープされるわけではない。
落ち着いたところで、冷静に「自分はどうしたいか?」「これからどうしていこうか」と考える、行動する。
そうやって少しずつ強くなっていけたらいいな、と思います。
日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
質問を募集しております
こうのとりの相談室〔お悩み相談〕では、皆様からのご質問を募集しております。
ほかの方の質問と重なる場合や、ご質問の内容によっては、お答えしかねる場合があります。
また、回答にはお時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。