イソフラボンは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれるポリフェノール。
その分子構造が、体内の女性ホルモン(エストロゲン)と似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。
このことから、特に更年期にさしかかる世代以上の女性から、からだの健康維持のために支持されていますが、妊活中の女性の方々からは、イソフラボンを摂っても大丈夫か?と聞かれることがあります。
今回、イソフラボンの摂取量にご紹介いたします。
1.イソフラボンの摂取量について
内閣府の食品安全委員会では、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値を70〜75mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)としています。
その内、サプリメントを含む特定保健用食品は、一日30mg/日としています。
その根拠は以下の通りです。
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
問19. 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値70〜75mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)は、どのようにして設定されているのですか。
[1] 食経験に基づく設定
日本人が長年にわたり摂取している大豆食品からの大豆イソフラボンの摂取量により、明らかな健康被害は報告されていないことから、その量は概ね安全であると考えました。そこで、平成14年国民栄養調査から試算した、大豆食品からの大豆イソフラボン摂取量の95パーセンタイル値70mg/日(64〜76mg/日:大豆イソフラボンアグリコン換算値)を食経験に基づく、現時点におけるヒトの安全な摂取目安量の上限値としました。
[2] ヒト臨床研究に基づく設定
海外(イタリア)において、閉経後女性を対象に大豆イソフラボン錠剤を150mg/日、5年間、摂取し続けた試験において、子宮内膜増殖症の発症が摂取群で有意に高かったことから、大豆イソフラボン150mg/日はヒトにおける健康被害の発現が懸念される「影響量」と考えました。摂取対象者が閉経後女性のみであることや個人差等を考慮し、150mg/日の2分の1、75mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)をヒト臨床試験に基づく、現時点におけるヒトの安全な摂取目安量の上限値としました。
上記[1]及び[2]から、現時点における大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70〜75mg/日と設定しました。
問11.食事で摂取する以外にサプリメントで大豆イソフラボンを摂取しているが、大丈夫ですか。
食品安全委員会新開発食品専門調査会では、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」において、特定保健用食品としての、大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値を30mg(大豆イソフラボンアグリコン換算)としております。
特定保健用食品以外の個別の「健康食品」については評価を行っておりませんが、この考え方をご参考に過剰な摂取とならないようにご注意下さい。
なお、ご心配でしたらサプリメントを利用される目的、サプリメントの種類や摂取量などをかかりつけの医師など専門家に伝えてご相談されてはいかがでしょうか。
以上を図式化すると以下の通りです。
つまり、大豆イソフラボンアグリコンの一日の摂取量は70-75mg、その内30mgをサプリメント等で摂るならば、通常の食事での摂取量は40-45mgとなる、というわけです。
食事に含まれる大豆イソフラボンアグリコンの目安量は以下の通りです
煮豆30g:約11mg
納豆普通1パック(45g):約36mg
納豆小1パック(30g):約24mg
豆乳(調整豆乳)1本(200g):約41mg
木綿豆腐1/2丁(150g):約42mg
絹こし豆腐1/2丁(150g):約38mg
厚揚げ1/2枚(100g):約37mg
油揚げ1枚(30g):約12mg
がんもどき1個(80g):約34mg
きな粉大さじ2(12g):約6mg
味噌汁1杯(20g):約6mg
醤油1かけ(5.85g):約0.08mg
このように、大豆イソフラボンアグリコンの摂取は、【食事+サプリメントで一日70-75mg】であれば問題はありません。
ただし、この食品安全委員会の評価である「1日75mg」という値は、世界中のさまざまな研究報告を検討したう上で、安全のため、 かなりの安全幅をとった数値になります。
しかも「毎日欠かさず、長期間、継続して摂取する場合の平均値」で「これを超えたから直ちに健康を害するというものではない」としています。
ある先生がブログで「毎日納豆1パックを食べるのは止めた方が良いでしょう」と書かれているのを読んだことがあります。
上記の式に則ると、仮に納豆1パック45gとしたら、大豆イソフラボンアグリコンは36mg。
国が定める上限値70-75mgを出ていません。
もちろん、1パックの大きさにも寄りますガ、一概に「毎日納豆1パック食べることは過剰摂取」とは言えないでしょう。
参考資料:
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A内閣府食品安全委員会事務局(平成18年5月16日更新)
なお上記で出てくる「アグリコン」とは、イソフラボンには種類です。
その他に「グリコシド型」があります。
「アグリコン型」と「グリコシド型」の違いについては、こちらをご参照ください。
・妊活ブログ:”特別”なアグリコン型イソフラボン「AglyMax(R)(アグリマックス)」の効果その1
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