「黄体機能不全」という言葉をご存知でしょうか。
ながいきや本舗にいただくお話の中でも「黄体機能不全」は非常に多いです。
いわゆる「黄体機能不全」とは、排卵後の卵胞から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不足している状態。
でもこの「黄体機能不全」については、実はよくわかっていないのです。
ここで黄体機能不全について、米国生殖医学会(ASRM)のオフィシャルコメントをご紹介しましょう。
Fertil Steril 2015; 103: e27
1)黄体機能低下は、高プロラクチン血症や甲状腺機能異常により起こる可能性があります。
2)臨床的に信頼できる「黄体機能不全」の診断法はありません。
基礎体温、排卵検査薬、黄体ホルモン値、子宮内膜検査などの評価法は確立されていませんので、お勧めできません。3)一般妊娠治療において、妊娠率を改善させる「黄体機能不全」の治療法はありません。
4)体外受精において、黄体ホルモンやhCG投与により妊娠率は改善されます。
5)一般妊娠治療において、排卵後2週間を超えての黄体ホルモンやhCG投与の効果はありません。
※ 黄体ホルモンは着床や妊娠に必須のホルモンですが、「黄体機能不全」が不妊の原因であることは証明されていません。
リプロダクションクリニック大阪の松林秀彦先生の解説によると
◎黄体ホルモンは、排卵した卵子の抜け殻から出るホルモン。
つまり、毎月異なる卵子が育つため、毎月、黄体ホルモンの出所は異なる。
よって、『一度だけ黄体ホルモンを採血して問題なければ「黄体機能不全」はない』とは言い切れないし、『一度だけ子宮内膜検査をして問題なければ「黄体機能不全」はない』とも言い切れない。
◎『基礎体温で高温期が12日未満、高低差が0.3度未満であれば「黄体機能不全」である。』とは言い切れない。
ということです。
ただ、単一の周期では、黄体ホルモン補充の効果は期待でき、実際、黄体ホルモンやhCG投与が行なわれていますが、これは「黄体機能不全」の治療ではなく「予防的黄体補充」なのです。
黄体ホルモンは、体温を上げて子宮内膜を豊かにして、受精卵が着床しやすい環境に整える役目を持っていますが、その黄体ホルモンは、排卵後の卵胞から分泌されます。
ですので、遡ると、その黄体ホルモンをしっかり分泌させるためには、卵胞をしっかり育てることが大切。
そうすると、やはり行き着くところは一番初めの
・FSH
・LH
・エストロゲン
という卵胞を育てるホルモンの分泌が重要、ということになります。
「黄体機能不全」という病名は、どうやらオフィシャルではないようですが、黄体機能不全のような状態にならないように、からだつくりがやはり大切ですね。
▼参照:
松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ
監修:日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子
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