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ミトコンドリアと健康 妊活との関わりは?

ミトコンドリアって?

ミトコンドリアとは、私たちの細胞の中の10~20%を占める小器官の一つで、細胞の中に数十から数千個が含まれていて、さまざまな役割を果たしています。

私たちは、常に呼吸し肺から酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出しています(肺呼吸)。

同じように全身の60兆個の細胞もミトコンドリアによって呼吸をしています(細胞内呼吸)。

肺から取り込んだ酸素は、血液によって全身の細胞に運ばれます。

酸素と食事から摂った栄養(炭水化物、たんぱく質、脂肪)は体で消化吸収され、それらの分子は3つの段階(解糖、クエン酸回路、電子伝達)を経て、エネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を作ります。

化学エネルギーの通貨とも呼ばれるこのATPはリン酸基が3つあり、1つのリン酸基を放出したときに(ADPになります)エネルギーを産生します。

私たち人間はこのミトコンドリアの産生したエネルギーを利用して、体温を保ち、運動をして生きていることになります。

このように人を生かすためにミトコンドリアが産生するエネルギーの総量は莫大なものなのです。

ミトコンドリアは生命エネルギーの源

このミトコンドリアは細胞内呼吸によって、ミトコンドリア内膜のひだ状部分(クリステ)で酸素を受け取り、エネルギー全体の約90%を作っています。

このようにミトコンドリアの最も重要な働きは生命維持に必要なエネルギーを産生すること。

つまり、人のエネルギーのほとんどがミトコンドリアでの細胞内呼吸で産生されているということなのです。

ミトコンドリアを増やすのは運動と空腹(エネルギー枯渇)

運動嫌いでも毎日運動を続けていると、二週間を過ぎた頃から次第につらさや苦しさが薄れてくることを経験した人は少なくないでしょう。

これは運動することによって細胞内のミトコンドリアが増え、つられてミトコンドリアの酸素消費量が増え(酸素摂取能力アップ)ますので効率的に酸素を消費する体になったためです。

運動を始めた時に、人の体の中にミトコンドリアが少ないとエネルギーを生み出すのに必要な酸素を細胞内のミトコンドリアが消費してくれないので、最初はハアハアと無駄な酸素を吐き出すために息を切らします。

しかし、運動を続けることで細胞内のミトコンドリアが増えてくると、エネルギー代謝が良くなり酸素を有効に利用することができるようになるので息を切らさなくなるのです。

また「カロリー制限」を行い、「空腹」を感じることでもミトコンドリアを増やすことができます。これは一時話題になったサーチュインという「長寿遺伝子」が働くためと考えられています。

これらの理由として細胞には、細胞内のATPを監視するAMPK(AMP:アデノシン一リン酸によって活性化するたんぱく質リン酸化酵素)により、ミトコンドリアを活性化する働きがあるためです。

つまり細胞内のATPが不足するとAMPK酵素が、ミトコンドリアを増やし、働かせる訳です。

通常のウォーキングなどの場合は、それほどエネルギーを使わないためATPが不足することはなく、この酵素が働くことはないのです。

しかし、少し負荷のかかる運動をすると、ATPが不足し、酵素の働き(スイッチ)がONになり、より多くのATPを作る必要が生まれ、ミトコンドリアが分裂を始めて増えるのです。

ミトコンドリアを増やすスイッチは、少しキツメの運動(中強度の運動:早歩き)を1分続けるだけでONになるのです。スイッチがONになると一定時間その効果が続きます。

これを小まめに続けることでミトコンドリアが確実に増え、酸素をたくさん取り込めるのでスタミナアップして疲れにくい健康体を手に入れることができるのです。

運動をする前にはなるべく食事を控えて空腹状態(エネルギー枯渇状態)にしておくと、運動を始めてからミトコンドリアがより増えやすくなります。

ミトコンドリアを増やして妊活に役立てる

妊活の基本。まずは健康体である、事です。

太りすぎ、やせ過ぎ、食べ過ぎ、飲みすぎ、喫煙、ストレス、運動不足。

何も考えずに普段通りの生活を送っていると、このような状態が日常化されているのではないでしょうか。

特に目的がない場合には生活習慣病に気をつける程度で大した問題を感じないかもしれませんが、赤ちゃんを授かる、という目的を持って初めて色々なことが問題として浮かび上がります。

太り過ぎているから痩せよう!食べ過ぎているから食事を減らそう!煙草を止めよう!運動しよう!それぞれが目的になると、結局それはストレスの原因になって続かずにやめてしまう・・ということになりがちです。

目的は「ミトコンドリア」を増やそう、です。

そうすれば、細胞が活性化し自然と代謝は上がります。代謝が上がると太りにくくなります。ミトコンドリアを増やすために早足で会社に行く、ミトコンドリアを増やすためにエレベーターは使わずに階段を上がる。

当然、卵子や精子にもミトコンドリアは存在します。意識はしなくてもこのように軽い負荷をかける運動をすることで、ミトコンドリアを増やすことができます。


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ながいきや本舗店長で日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの松村と申します。

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